
背水の陣となる難しい作戦を完璧に遂行した
神奈川総合大学校の「みらい」選手が初出場初勝利!
2025年8月3日(日)に「e-DGMS 2025 by グランツーリスモTechnical College Series Rd.2」が開催され、ホンダ フィット Hybrid ‘14によるレースで、神奈川総合大学校のみらい選手が、学校そして個人としても初参戦・初優勝の快挙を達成した。
誰でも参加できる「Open Class Series」に負けずとも劣らないハイレベルな戦いを見せる「Technical College Series」。自動車整備士を養成する専門学校に通う学生たちが繰り広げる、アグレッシブな戦いが魅力のシリーズが、早くも第2戦を迎えた。
開幕戦の舞台は、グランツーリスモの大会としてはなかなか珍しい「ブロードビーンレースウェイ」。
車両は、これも設定されるのは珍しいGT7の初期車両、ホンダ フィット Hybrid '14だ。
今回のレースは13人の出走となった。前回に続き、指定校として新たに「神奈川総合大学校」が追加。みらい選手が学校の初陣に臨む。
レギュレーションは、なんと周回数が21周。「NASCARのようなコースとレギュレーションだ」と話す解説の岡田衛氏は、実質2ピットのレギュレーションのため、ピットイン時にタイヤ交換するかどうか、燃料をどれだけ補給するかどうかが勝負のカギだと話す。選手たちは、どういう計画を立てて、レースで実行するのだろうか。
予選が開始となった。1周がわずか30秒少々という短いコースでは、他車のスリップストリームを得られる位置取り、ナイトロの使いどころ、そしてハイブリッドバッテリーの電力を勝負所で使い切る、この3つの要素が絡む非常に難しい予選だ。
選手たち、はグランツーリスモ特有の「ピットへ戻る」機能をうまく活用し、3つの要素がそろう最高のタイミングを追い求めていた。
どんどんとトップタイムが上書きされる中で、ポールポジションを獲得したのは新潟国際自動車大学校のshun選手。予選の最終盤で走りをまとめ、2番手をおよそコンマ1秒上回った。
2番手から4番手は33秒8秒台という超接戦で、埼玉自動車大学校のH.Miyazato選手、ホンダテクニカルカレッジ関東のL.Cainguitan選手、同じくホンダテクニカルカレッジ関東のmory-GSR No.4選手が並んだ。

決勝のスタートは、いきなり大きく順位が動くことになった。
なんとポールスタートのshun選手が大きく出遅れてしまい、1コーナーのイン側はかなりの混雑に。
その様子を横目にホールショットを決めたのは、2番手スタートのH.Miyazato選手だった。
2番手は、1コーナーをアウトから攻略したみらい選手が、6番手から急浮上。
3番手は、同じくアウトから1コーナーを抜けた横浜テクノオート専門学校の無免許選手が、8番手からジャンプアップに成功した。スタートから波乱の展開となった。

レース5周目。
決勝レースの4分の1が経過したところで先頭のH.Miyazato選手が早くもピットイン。燃料が持たなかったようだ。
これにより、スタートの遅れを挽回していたshun選手が隊列を率いることになる。しかし、こちらも燃料がもたず6周目でピットイン。
その後、みらい選手が隊列の先頭となる。みらい選手の燃料ゲージは、なんと残り25パーセント。他車がガス欠ギリギリだったことを鑑みると驚異的な燃費だ。スリップストリームを存分に使い、ショートシフトで周回数を重ね、大きなアドバンテージを得ていた。

レース9週目、トップのみらい選手が燃料補給のためにピットイン。
タイヤは交換せず、燃料を満タンまで補充してコースにすぐさま復帰した。
レースが10周を数えたところでコース復帰したため、1ピットで決勝レースを走り終える算段のようだ。
燃料が厳しく「実質2ピット」のレギュレーションで1ピット作戦を遂行するためには徹底的な燃料管理が必要となるほか、レースペースが上げられなかったり、中団の選手たちと絡んだ際にクラッシュの可能性が高くなってしまうなど様々なリスクが付きまとう。背水の陣ともいえるような作戦でみらい選手がレース後半へと望む。

レース13周目、みらい選手のピットインによってトップに返り咲いていたH.Miyazato選手がピットに入る。画面上の表示を見るに、燃料、タイヤともに限界のようだ。タイヤを替え、燃料も満タンでコース復帰するも11番手。トップのみらい選手からは27秒遅れを取ることとなった。残り周回数から計算して、1周あたり4秒ほど縮める必要があることを考えると、その背中が少し遠いように見えた。

ファイナルラップ。
みらい選手は、タイヤが最終コーナー手前で限界を迎え、レースペースでの走行が難しいほどの状況に。ただ、このタイミングでの使い切りは予想通りだったのか、燃料の使い切りと同時にそのままトップチェッカー。すべてが計算され、準備の通りに作戦を遂げた圧倒的な走りだった。
2番手には、2回ピットに入り、タイヤを交換しない選択をしたホンダテクニカルカレッジ関東のmory-GSR No.4選手。
3番手には、2ピットでタイヤを交換したH.Miyazato選手が入った。
表彰台の顔ぶれは、1ピット作戦や、タイヤ交換の有無と、それぞれ作戦が違う選手となった。今回のレギュレーションには作戦の選択肢があり、いかに準備の通りに遂行するか、ということで明暗が分かれたようなレースだった。

レギュレーション内で作戦を立ててうまく実行するというe-DGMSらしいレースとなったTechnical College Series Rd.2。今回も、ドライバーそして作戦の精度ともにハイレベルなものとなった。
次戦は、9月21日(日)、17時からの開催。
指定車両はアルファロメオ 4C Gr.3、指定コースは東京エクスプレスウェイ南ルート内回りだ。
コース幅が狭く、軽量ハイパワーなマシンでのレースは、白熱したものになるだろう。
どうぞお楽しみに。