ファイナルラップまでもつれた激戦を制した
東京自動車大学校の「Kimushin」選手が開幕戦を制す!

2025年6月29日(日)に「e-DGMS 2025 by グランツーリスモTechnical College Series Rd.1」が開催され、BMW M2 competition’18によるレースで、東京自動車大学校のKimushin選手がファイナルラップまでもつれた激戦を制した。

自動車整備士を養成する専門学校に通う学生たちが繰り広げる、熱いバトルが魅力の「Technical College Series」。東京オートサロンでの特別大会からおよそ半年Open Class Seriesに続き今年も開幕した。
開幕戦の舞台は、Open Class Series Rd.1に続き、「富士スピードウェイ・レーシングコース」。使用マシンは、「BMW M2 competition’18」の組み合わせだ。

今回のレースは14人のフルエントリーに。また、今回新たに指定校に追加された「新潟国際自動車大学校」から2人の選手がエントリー。学内選抜大会まで実施しての参戦とのことで、eモータースポーツに熱心な学校であることが伺える。

今回も解説としてe-DGMSゲームマスターの岡田衛氏、そして、ダイワグループのリアルレーシングチーム「DGMS」のチーム運営責任者、e-DGMS運営責任者の末次慎之介氏も解説として出演した。 レギュレーションは、天候の軽微な変更を除いてOpen Class Seriesと同じものが用意された。
果たして、Technical College Seriesの選手たちは、Open Class Series以上の走りを見せてくれるのだろうか。

予選。解説陣が「Open Class Seriesの結果からして1分46秒台でのバトルになるだろう」と話す中、時計が動き始める。
Open Class Seriesでマークされたタイム以上の、1分45秒117をマークしたのは東京自動車大学校のKimushin選手。ドライビングテクニックに加え、目の前を走るHiro選手のスリップストリームをうまく使いポールポジションを獲得した。
2番手は、1分45秒396をマークしたホンダテクニカルカレッジ関東のhagipiero選手。そして3番手にはOpen Class Seriesにも参戦し武者修行を積む中央自動車大学校のHiro選手が入り込む。
富士スピードウェイ、BMW M2という組み合わせで開催された「東京オートサロン大会」での勝者、埼玉自動車大学校のtubasa-GT-R選手はなんと5番手。大きく出遅れる形となった。

決勝のスタート、ポールスタートの東京自動車大学校のKimushin選手がわずかに出遅れる。
それを見逃さなかったホンダテクニカルカレッジ関東のhagipiero選手と、中央自動車大学校のHiro選手。この2台がコカ・コーラコーナーまでにKimushin選手をオーバーテイク。この2台はその後もバトルを演じ、ADVANコーナーではhagipiero選手が前に。オープニングラップでの高レベルなバトルはhagipiero選手に軍配が上がった。

トップ2台のバトルは激しさを増す。
GRスープラコーナー、そしてパナソニックオートモーティブコーナーと軽く接触しながらコーナーを抜けてきたこの2台。コントロールラインを先に通過したのはHiro選手だったが、1コーナー=TGRコーナーのブレーキングバトルでhagipiero選手が再び前に。ただ、2台がバトルをしている間に、3番手で猛追を見せていたKimushin選手が迫り来ていた。

レース3周目、2番手に浮上していたKimushin選手とHiro選手のバトル。
ダンロップコーナーでの飛び込みでHiro選手がイン側をこじ開ける。
Technical College Seriesらしい勢いのある仕掛けで、軽い接触がありながらも両者を走行を継続。その間に、トップのhagipero選手がファステストラップをマークしながら逃げ、2秒近いマージンを手に入れていた。
予選からして、速さはほぼ互角なこの3人。果たして、8周という道のりの中で、マシンセッティングの違いが出てくるのだろうか。

レース7周目、3番手のHiro選手がKimushin選手に後れを取り始める。
解説の岡田氏いわく「ブレーキングに苦労しているように見える」とのことで、じわじわとその差が開きはじめていた。一方、Kimushin選手はファステストラップを塗り替える鬼神の走りでトップのhagipiero選手を完全に射程圏内に収めた。
TGRコーナーでは、Kimushin選手が強気に仕掛け、ブレーキングでインを突くが順位は変わらず。にらみ合いが続いたレース7周目、勝負はファイナルラップまでもつれる。

ファイナルイン、メインストレートでの伸びはKimushin選手が圧倒的だった。
メインストレートでのフルスロットルバトル。両車が並んで飛び込んだTGRコーナーはほぼ互角。その先のコカ・コーラコーナーを見据え、イン側を抑えたhagipiero選手だったが、TGRコーナーでの加速はKimushin選手が上手だった。100RまでにKimushin選手がオーバーテイクを完了。ファイナルラップでトップを奪還し、そのままコントロールラインを1番に通過した。激戦を制し、開幕戦勝利となった。
2番手にはタイヤの余力がなかったと振り返るhagipiero選手、そして3番手にはHiro選手が入った。4番手にはshun選手。新潟国際自動車大学校は初参戦初表彰台とはならず。次戦に期待したい。

若さ溢れる勢いあるバトル、そしてOpen Class Series以上のタイムや技術も飛び出す「Technical College Series」が無事に終了。今シーズンは全4戦を予定している。
これほどのレベルの高さとなると、専門学校生たちのOpen Class Seriesへの参戦も楽しみだ。

次戦は、ホンダ フィットハイブリッドを使用した、ブロードビーンレースウェイでのバトル。グランツーリスモの大会では珍しい「マイルド」な組み合わせでの激しいバトルにご期待いただきたい。