レースストラテジーが完璧だった「ふなさん」選手が今季3勝目!

2024年12月8日(日)に「e-DGMS 2024 by グランツーリスモRd.6」が開催され、ふなさん選手が勝利。今シーズン3勝目をマークした。

Rd.6の使用コースは「東京エクスプレスウェイ・南ルート 外回り」。
ゲストには、ダイワグループのリアルレーシングチーム「DGMS」のドライバーである石井一輝選手、そしてゲストドライバーはDGMSのメカニックを担当するグランツーリスモプレイヤーキム・ユンホ選手が参戦した。解説は岡田衛氏が務めた。
マシンはゲストにちなみ、「BMW M2 competition’18」が選ばれた。

今回のレギュレーションは、燃費とのにらみ合いが必要で、特に予選は全開でのアタックが出来ない設定だ。決勝についても、周回数を計測する「コントロールライン」とピットロード入り口が全く違うコースのため、燃料のマネジメント、そして事前のテストや練習が強く結果に結び付くものだ。

予選、前述の通り全開での走行が難しいため、コースイン直後は各マシンは、前後との距離を伺うような大勢となった。
計測ラップに入ってからは、それぞれの選手の燃料の配分は異なっているようで、ほとんどの選手が散らばり、タイムの計測に臨んだ。その中でトップタイムを出したのはふなさん選手。他車のスリップストリームを使わず単独で走行したが、燃料配分が絶妙だったのだろう。2番手は、最初にコースインしたかい選手かに思われたが、予選やり直しを決断したEVO選手がギリギリで2番手に滑り込んだ。4番手にはPOISON選手、5番手に中谷選手と続いた。上位勢のタイムを見てもふなさん選手の速さは圧倒的で、2番手のEVO選手に約1秒の差を付けた。激戦の今シーズンの中で2勝を挙げている腕前は伊達ではないようだ。

レース決勝。スタート直後の1コーナーは大きな混乱なく全車クリア。
ポールスタートのふなさん選手も危なげなく、トップをキープした。
4番手スタートのPOISON選手がスタートを成功させ、1コーナーでイン側にねじ込み、3番手にポジションアップした。
コーナーを3つほど抜けると、上位5台がレースを引っ張る形に。6位以降は接触やスピンなどがあり、トップ集団から大きく遅れてしまった。
コース幅が狭く、両側に壁があるコースの為、後続車の行き場がなかった様だ。
ピット戦略による順位の変動はあれど、優勝争いは早くも5台に絞られた。

上位3台がハイペースで走行していたレース2周目、トップ争いは激しさを増す。
ふなさん選手、オーバーテイクに成功したPOISON選手、そしてEVO選手の3台が火花を散らす。順位の入れ替わりこそないが、ふなさん選手がブロックラインをとったり、POISON選手がラインを変えて仕掛ける素振りを見せたりと、静かで激しい攻防が続いていた。
その中で、このコースの名物でもあるシケインで、POISON選手が壁に接触し体勢を乱す。そのすぐ後ろを走行していたEVO選手は巻き込まれてしまい、追突、減速してしまった。
これでEVO選手は3秒ほどロスしてしまった。燃費が重視されるこのレースで3秒はかなりの痛手となった。

レースが折り返しとなる4周目、上位3台がピットに入る。
ピットでの給油中は燃料ゲージを確認することができるが、トップのふなさん選手が22%だったのに対し、POISON選手は25%。3周余りをふなさん選手のスリップストリームに張り付いて走行した甲斐があった。
その後ピットアウトのタイミングでは、両選手ともに90%で給油しピットアウト。POISON選手がふなさん選手の前でコース復帰した。燃料を節約した結果給油の時間が短く済み、ピット作業でのオーバーテイクに成功したのであった。ただ、2台の差はわずか0.2秒。まだまだレースの行方は分からない。

レース6周目。トップの座を奪われたふなさん選手が襲い掛かる。
ヘアピンの入り口でPOISON選手とサイドバイサイドに持ち込むと、そのまま勝負はストレートへ。一度はふなさん選手が前に出るも、POISON選手がストレートエンドで挽回し、ふたたび横並びに。目の前にシケインが迫ったところで、ライン的に厳しくなってしまったPOISON選手が後退し、2番手になった。レース序盤にシケインで接触があったことが脳裏をよぎったのか、勝負の軍配はふなさんに上がった。
このようなシーンを見ていると、モータースポーツというのはメンタルスポーツでもあるということを痛感する。

ファイナルラップ。トップのふなさん選手を、POISON選手、そしてペースアップし追いついたEVO選手が追いかける。
ただ、バックストレートに来たところでの燃料の残りに注目すると、ふなさん選手の残量が他の2選手を上回っていた。ふなさん選手は、ピットアウトからPOISON選手とのバトルに勝ちながらも燃料を節約していたのだ。
ふなさん選手はこのままトップチェッカー。今シーズン3勝目をマークした。
2番手にはPOISON選手、そして3番手にはEVO選手が入った。EVO選手はシケインでの接触が悔やまれる。
表彰台を獲得した3選手は「HOKUEI Racing」に所属する選手で、Rd.2以来2度目の、チームメンバーによる表彰台独占の快挙を達成した。

e-DGMS 2024 by グランツーリスモは、Technical College Seriesも含み、今年のレースはすべて終了となった。
常勝王者の連勝記録ストップ、初出場初優勝、3年間参戦し続けて初の優勝、そして、チームメンバーでの表彰台独占と、話題に事欠かないシリーズ戦となった。
レース毎に初参戦の選手が登場した今年のe-DGMSは昨年以上の盛り上がりを見せ、今季すべての動画の合計再生数は18万再生を突破した。
これまでご視聴頂いたすべてのe-DGMSファンの皆様に感謝申し上げます。
来シーズンは幕張メッセで開催される東京オートサロンでスタートすることが決定しておりますので、ぜひ、2025年シーズンのe-DGMSにもご期待ください!