デッドヒートを制したうえの選手が勝利!

2024年6月9日(日)に「e-DGMS 2024 Technical College Series」が初開催され、BMW M2 Competition'18によるレースで、「ホンダテクニカルカレッジ関東」のうえの選手がファイナルラップまでもつれたデッドヒートを制し、優勝を手にした。

e-DGMS 2024 Technical College Seriesは、「e-DGMS 2024シリーズ」の派生シリーズで、日本全国の専門学校生たちが学校を通してエントリーしレースに参戦する。
いわば、「e-モータースポーツの甲子園」。出場資格は整備士養成学校の在校生であることのみで、幅広く募集を募っている。
今回は、ダイワグループ認定の指定校10校から14人がエントリー。
なお、あまりにも応募者多数だったため、Rd.1と合わせてRd.2のエントリーも同時に抽選を実施。すでにRd.2についても満員となった。

今回のゲストプレイヤーは、グランツーリスモファンでは知らない人はいないであろう、宮園拓真選手。世界一を経験した選手がゲストプレイヤーを務める、華やかなシリーズの幕開けとなった。

記念すべき開幕戦の使用コースは「富士スピードウェイ」。
e-DGMS 2024シリーズのRd.1と、使用コース、車種、レギュレーションともに同一となった。

物語の幕開けとなる予選、トップタイムはゲストドライバーの宮園拓真選手。
2回アタックが可能なレギュレーションで、各選手が早々に出された世界チャンピオンのタイムに挑むが、どの選手も手が届くことはなかった。
2番手タイムは、関東工業自動車大学校のたっくん選手。2度目のアタックはミスが出てしまったが、1度目の計測タイムは見事なものだった。
3番手のうえの選手は、100分の2秒届かず、フロントロー獲得とはならなかった。

レース決勝。ホールショットは宮園選手が決める。
後続の選手も、宮園選手に食らいつく。
学生ならではの「勢いあるドライビング」は非常にエキサイティングで、わずかな接触はあったものの、クリーンなレーススタートとなった。

レース1周目、アドバンコーナーではバトル勃発。
3番手を走行していた、ホンダテクニカルカレッジ関東のhagipiero選手が宮園選手のインに飛び込みトップに浮上。
宮園選手はたまらずコースオフ。4番手に後退した。
学生ならではの「勢いあるドライビング」に、宮園選手も圧倒され始めていた。

レース6周目、hagipero選手、そしてうえの選手と、ホンダテクニカルカレッジ関東がワンツーの体制の6周目。うえの選手が仕掛ける。
同校同士ということもあり穏やかにレースを運ぶであろうと思われていたこの2台だが、うえの選手が1コーナーのブレーキングでイン側を力強くこじ開けた。

その後バトルはアドバンコーナーまでもつれる激しいバトルに。
理想的なラインを走行できない2台の脇を、宮園選手がするりと抜けた。
状況を冷静に見極めて勝負所を探っていた宮園選手がトップを奪還した。

ファイナルラップ。観衆の視線は、2番手争いの「ホンダテクニカルカレッジ関東バトル」に釘付けとなる。
アドバンコーナーでは、hagipiero選手が、切れ味鋭いクロスラインで、うえの選手をオーバーテイク。イン側をブロックするうえの選手の逆を突いた。
立ち上がりも素晴らしかったhagipiero選手はダンロップコーナーで宮園選手に襲い掛かるも捉えることはできなかった。
その後、このアグレッシブさが、レースの結果を左右することとなった。

hagipiero選手が宮園選手にアタックした際に生まれた隙を、うえの選手が見逃さなかった。13コーナー、うえの選手は、hagipiero選手の立ち上がり鈍ったところをイン側から前に出た。その後、4番手の関東工業自動車大学校のたっくん選手も絡み始め、ファイナルラップはデッドヒートに。最終コーナーのパナソニックオートモーティブコーナーまでバトルは演じられたが、勝負あり。

軍配は、うえの選手にあがった。トップチェッカーは世界王者の貫録を見せた宮園選手であった。
ゲストドライバーを除くトップの成績を収めたうえの選手には、後日記念品が贈られる。

ドラマチックな封切りとなった、e-DGMS 2024 Technical College Series。
今シーズンは残り3戦となっている。
次戦は、7月7日(日)だ。
未来の自動車業界を担う若人たちの熱いバトルをご期待いただきたい。