他を寄せ付けない圧倒的な走りで「Camit」選手が初出場初勝利!
2025年11月23日(日)に「e-DGMS 2025 by グランツーリスモOpen Class Series Rd.5」が開催され、「プジョー 205 Turbo 16 Evolution 2 '86」によるレースで、Camit選手が初出場初勝利。
2番手に16秒以上の差をつけ、圧倒的な走りで存在感を示した。
過去4戦、毎回勝者が変わる結果となっている群雄割拠のe-DGMS Open Class Series。
いよいよ最終戦であるRd.5も、14人のフルエントリーとなった。
初参戦はなんと9人。Camit選手、んつひ選手、なんばch選手、OSN-yumima選手、AVER選手、ブレニキ選手、スクリュー選手、BABEL-AFUSE選手、あお選手。
そしてゲストドライバーは、e-DGMSゲームマスター、岡田衛氏。解説にドライブと、二刀流での参戦だ。
今回のレギュレーションは、1986年の世界ラリー選手権(WRC)チャンピオンカーで、伝説のプジョー車である205 Turbo 16 Evolution 2ということで、e-DGMS史上初のスノーレース。1986年当時を意識し、「ABS禁止」も設定された。前回のRd.4でも選手たちを大きく苦しめたこの難題だが、選手はどのように立ち向かうのか。
給油やタイヤ交換などその他の要素についてはほぼデフォルトとなったが、オーバーテイク促進のためにスリップストリームが「強い」に設定され、壁接触ペナルティが設けられた。また、スノーコースということもあり、Rd.3でも設定されたピットロードを通過する「ジョーカーラップ」が選手たちに課せられた。
予選。燃料の消費量が予選中は5倍ということで、マシンが軽くなる2周目のアタックの方がタイムが出る設定だ。
タイヤの摩耗も50倍とされたが、スノーである以上、あまり大きな影響はないと思われる。
まず1回目のアタックでは、Camit選手がトップタイム。2番手のふなさん選手に2秒3もの差をつける圧倒的な走り。
2番手のふなさん選手と3番手のんつひ選手の差がコンマ3秒。2番手争いは僅差となっていた。
全選手が2回目のアタックに入ったところ、トップワンツーのCamit選手、ふなさん選手が壁接触ペナルティを受け、タイム更新ができない状況に。それをみていた3番手のんつひ選手は、燃料が軽くなったマシンで猛プッシュ。しかし、縮まったタイムは0.002秒に留まり順位は変わらず。ポールポジションはCamit選手が獲得となった。
その他の選手を見ると、2回目のアタックで順位を上げた選手はほとんど見当たらず。マシンが軽くなる=タイムアップという等式は、スノーレースでは成り立たないようだ。こうした点がスノーレースの奥深さだろうか。
なお、ゲストドライバーの岡田氏は、レギュレーション制作者であるため、ハンデとして予選は出走せず、決勝は最後尾からのスタートとなっている。
レーススタート。このコースならではのグリッド位置が印象的だ。
各車きれいにスタートを切ったが、このグリッド配置によって1コーナーは大混乱。
あちこちでサイドバイサイドのバトルが発生する。
混乱の中でホールショットを決めたのは、ポールスタートのCamit選手。
そして、2番手スタートのふなさん選手にここでアクシデント。1コーナーからCamit選手を追いかける体制に入ったが、アウト側のウォールに接触してしまい1秒5のタイムペナルティ。Camit選手のタイムが圧倒的なだけに、序盤から痛手となった。
レースは2周目、ここでゲストドライバーの岡田衛氏がレースを動かす。
「テールスタート」から9番手までジャンプアップしていたが、3周目を数えるタイミングでピットロードイン。ジョーカーラップの消化に乗り出した。
岡田氏いわく、「前を走っていたあお選手がピットロードに入ったのが見えた。スリップストリームをもらえる位置にいつつ、混雑しない位置に出られれば」ということだ。
事前にプランを立てていても、状況によって変わるジョーカーラップの消化のタイミング。上位勢はどのタイミングで動きを見せるか。
レース4周目、オープニングラップでタイムペナルティを受けてしまったふなさん選手が、3番手にドロップ。代わりに2番手に上がっていたのは、んつひ選手だ。
その、んつひ選手が、ふなさん選手よりも早くジョーカーラップの消化に動いた。
ピットロードを通過し、コースに復帰した位置は3番手で、ふなさん選手よりも3秒ほど後ろの位置だった。
ぎりぎりスリップストリームの恩恵を受けられるような位置関係での復帰となった。
レースペースを上げて、トップのCamit選手を追い上げ始める。
レース5周目、ここでCamit選手がジョーカーラップ消化へ乗り出す。
それを2番手の位置から見ていたふなさん選手もピットレーンへ飛び込んだ。
3番手を走行するんつひ選手は、スリップストリームの力で、3秒あったふなさん選手との差をほぼ無くすなど、グングンとレースペースを上げていた。
トップのCamit選手がコース戻るタイミングに注目が集まった。Camit選手がピットロードを出た時には、んつひ選手がメインストレートに差し掛かったタイミング。トップの座はCamit選手が守った。2番手だったふなさん選手は、ジョーカーラップ消化のタイミングで3番手にドロップ。
この時点で、Camit選手と2番手のんつひ選手の差は7秒5。無視できない大きな差が生まれていた。
レースはファイナルラップ。岡田氏が「ダートにおいてはワールドレベルの選手」と太鼓判を押すCamit選手のレースペースは圧倒的で、バックマーカーをオーバーテイクするほど。2番手との差は15秒以上に広がっていた。
Camit選手は最終コーナーに差し掛かったところ、なんと360°マシンを回転させる「サブロクドリフト」を魅せる。そのサブロクは本当に美しいもので、マシンの姿勢は一切乱れず、画面下部のインジケーターを見ても繊細なブレーキコントロールと、絶妙なアクセルタイミングによって生み出されたものだった。ワールドクラスの走りを最後まで見せつけてそのままトップチェッカー。他を寄せ付けない圧倒的な走りを見せつけた。
2番手は、んつひ選手。1分36秒台という素晴らしいペースでの走行を続けたが、Camit選手の壁は厚かった。
3番手は、ふなさん選手。Rd.3のダートレースで勝利していた大本命だったが、序盤のタイムペナルティが悔やまれる結果となった。
e-DGMS 2025 by グランツーリスモ Open Class Seriesは、初参戦選手が旋風を巻き起こしてのシーズンフィニッシュとなった。
振り返ると、BMW M2という定番マシンに始まり、アバルト595のようなピーキーな車でのレース、ダート、オールドF1、そしてスノーと、彩り豊かなシーズン全5戦だった。それに加え、毎回勝者が変わったというトピックも、これまでのe-DGMSとは無かったものだった。
新たな選手のレベルアップが進み群雄割拠のe-DGMSは、来年更なる進化とともに開催予定だ。
どんなレギュレーションなのか、どういった選手が参戦するのか、来シーズンも目が離せないものとなるだろう。来年もe-DGMSにご注目いただきたい。













