
ミスを見逃さない走りで「きよレーシング」選手が初参戦初勝利の快挙!
東京オートサロンでの熱戦からおよそ半年、進化を続ける「e-DGMS」が今年も開幕。
開幕戦の舞台は、世界のモータースポーツファンを魅了する「富士スピードウェイ・レーシングコース」。
使用マシンは、「BMW M2 competition’18」と、レギュレーションこそ違うものの、東京オートサロン大会と同じ組み合わせが用意された。
今回のレースは14人のフルエントリー。満員御礼の開幕戦となった。
ゲストドライバーには、KANTOモータースクールSCARZに所属する「鍋谷 奏輝」選手(下写真左)が参戦。
世界大会への経験を持つ、グランツーリスモ界の名ドライバーだ。
そして、解説にはe-DGMSではおなじみ「岡田 衛」氏(下写真中)、そして、ダイワグループのリアルレーシングチーム「DGMS」のチーム運営責任者の「末次 慎之介」氏(下写真右)も解説として出演。末次氏は今シーズンe-DGMSのプロデュースにも関わるということで、今シーズンは「仕掛け」を通して我々を楽しませてくれるとのことだ。

レギュレーションは、概ね軽量重視 or パワー重視という2択に絞ってのマシンメイクが求められるもので、e-DGMSらしい設定。燃料搭載量からして、ピットへ入れば勝負権を失う内容だったため各選手は燃費とパワーの「落としどころ」を見つけるレギュレーションだった。
今回初参戦の選手は3人。解説の岡田衛氏いわくe-DGMS以外の大会で見かける腕利きの選手だということだ。
この初参戦の選手たちが今回のレースを大きく動かすことになる。
予選、トップタイムをマークしたのは初参戦のサン=テグジュペリ選手。
唯一の1分44秒台をマーク。同じく初参戦の2番手、きよレーシング選手に0.372秒差をつけ、頭一つ抜け出した。
3位には、同コース・同マシンが設定された昨シーズンの開幕戦勝者、中谷選手が入った。
4位のMeipru選手までがトップと1秒差だった。5位以下には、昨シーズン好成績を収めた選手が名前を連ねたが、決勝にセットアップを合わせたのか若干苦しんでいる様子だった。

レース決勝、上位勢は完璧にスタートを決め、TGRコーナーは、ポールスタートのサン=テグジュペリ選手が1番に駆け抜ける。
2番手のきよレーシング選手は、スタートでアウトから並びかけるがここは及ばず。順位の変動はなかった。
オープニングラップでは上位勢に順位の変動は無く、隙のない、緊張感の張りつめた1周になった。そして、バトルの舞台は、2周目のTGRコーナーに移る。

レース2周目。富士スピードウェイ名物の1コーナー=TGRコーナー。
後続のプレッシャーからか、トップのサン=テグジュペリ選手がオーバーラン。車1台分クリッピングポイントを外してしまう。
それを見逃さなかった2番手のきよレーシング選手が完璧なライン取りでサイドバイサイドへ持ち込む。2台は並走して立ち上がったが、きよレーシング選手が、コカ・コーラコーナーまでにオーバーテイクを完了。初参戦の選手同士によるバトルはきよレーシング選手が制した。

レース4周目、各マシンの順位を実況アナウンサーが紹介しているときに動きが。
サン=テグジュペリ選手と中谷選手が激しいバトルを展開。オープニングラップでもラインをわずかに変えて、常に「臨戦態勢」を取っていた中谷選手がパナソニックオートモーティブコーナーの立ち上がりでサン=テグジュペリ選手を攻略。その後も各コーナーで火花を散らすこの2台がバトルを展開する間に、後続は追いつき、トップのきよレーシング選手は2秒以上マージンを築く。表彰台をねらうバトルは熾烈を極めていた。

ファイナルラップ。再び2番手に浮上したサン=テグジュペリ選手がファステストラップを更新する走りを見せ、トップのきよレーシング選手を追いかけるも、2秒の差は大きく、反撃もここまで。きよレーシング選手が初参戦初優勝の快挙を達成した。
本人曰く、過去に大きなタイトルを獲得したことはないとのことで、e-DGMS勝利の喜びはひとしおだろう。
2位は圧倒的な速さを見せたが1つのミスでトップを譲ってしまったサン=テグジュペリ選手。レースの難しさを物語る結果だ。3位には昨年の開幕戦勝者の中谷選手が入った。
1、2位に初参戦の選手、3位に昨シーズンの勝者が入ったということを鑑みると、新参の選手の台頭が著しく、今シーズン各戦の優勝争いは予想が難しく、熾烈なものになることが予想さる。e-DGMSの今年の行く末を示すような、開幕戦となった。
優勝したきよレーシング選手には、後日記念品が贈られる。

今シーズンも開幕したe-DGMS 2025 by グランツーリスモは、誰でも参加できる「Open Class Series」を全5戦、自動車整備士を夢見る専門学校生が参加できる「Technical College Series」を全4戦を予定している。
シリーズポイント制ではないので、なかなか時間がとれない選手でも参加しやすい。
次戦RD.2は、7月13日(日)。アバルト595 SS‘70、ウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカのGT7のコンペティションレースとしては珍しい組み合わせだ。
次戦も熱いバトルに期待が寄せられる。