BMW & MINI Racing 2025

M2 CS Racing Series

Round5(第9戦-第10戦)

富士スピードウェイ[静岡県]
  • 開催:9/6(土)-9/7(日)
  • ドライバー:石井 一輝
  • REPORT:岩岡万梨恵

こんにちは!
DGMS(ダイワグループモータースポーツ)のチームレポートを務めます、レーシングドライバーの岩岡万梨恵です。

今年の目標「チーム、ドライバーの両タイトルを獲得」。
現在は目標に向かって、チーム、ドライバーともにシリーズランキング1位につけています。
そのまま目標を達成できるのか?
ルールの一つである馬力ダウンに悩まされるのか・・・?
BMW&MINI Racing 2025 ROUND5富士スピードウェイでの様子をお届けします。

○ 土曜日 予選

予選の前日まで台風に襲われしっかり練習ができないまま迎えた本番。
セミウェットでは良かったセッティングもドライコンディションになるとフィーリングが大きく変わります。

さらに、前回のレースで優勝し、その代償としてルールの一つであるエンジンパワー性能を450PSから420PSに絞られてしまいました。今回は石井選手ともう一名が420PS、そのほかの4名が450PSで戦います。
たった30PSの差…と思いますが、富士スピードウェイはストレートや上り坂が多く、エンジンパワーの差が顕著に現れます。
実際に話を聞いてみると、ホームストレートで0,8秒遅れ、300Rでは0,6秒遅れる。合計450PSの車両と比べて1.4秒の差がエンジンパワーのみで大きな差が生まれてしまいます。

予選は苦しいながらも、なんとか5番手タイムを出します。

小川監督

やはり、馬力の差もあり苦しい中でしたが、前日のハーフウェットのセットの感触が良く、データも少なかったため、そのままドライの予選も行ったら、はまらず、いまいち…という印象でした。今まであまりない5番手からのスタートとなるが、なんとか表彰台に食い込みたいです。

そして翌日、11時45分から決勝レース1が始まります。

○ 日曜日午前 決勝レース①

蒸し暑さが残る中行われた決勝レース①。
スタートも決まり、1コーナーでは4台が並ぶ接戦!
そんな中Aコーナーで飛び出した車両があり、その隙を逃さずポジションを上げ4番手に浮上。
そこから馬力が違う車両であるはずの3番手をテールトゥノーズでプレッシャーをかけ、1コーナーで抜きにかかり3番手に浮上!
しっかりポジションを上げていきます。

しかし、順調に見えたと思いきや…タイヤが冷えていたレース序盤は調子が良かったもののレース後半にかけて思うようにペースが上がりません。
「マシンに何か起きているのか?」
「エア圧なのか?」
そんな不安がピットに押し寄せる中、順位を落とさぬよう、攻防を続けます。
しかし、一台また一台と抜き返されてしまい、5番手で終了となりました。

石井選手 決勝レース①を終えて

レース序盤は調子が良く、3番手まで上げることが出来ました。後半では車の挙動が変わってしまい、周りに比べてタイムの落ちも早く、そうしている間にパワーの大きい車に追いつかれ、抜かれてしまいました。今回多くのお客様が応援に来てくださっているので、午後の決勝レース②こそは、表彰台に上がり良いところをお見せしたいです!

押井メカニック

僕がDGMSに入ってから、5番手で終わるという結果がなかったので、良い調整が出来なかったのか?と悔しい気持ちです。午後の決勝レース②は巻き返したいです。

DGMSメンバー最年少の押井メカニックは、前回できなかった事、発見した事などを洗い出し、次戦ではこうしてみよう、そしてミスなくやり遂げようと準備をして、レースウィークを迎えているそうです。
金メカニックのことは、「なんでも知っている先輩!」という程、尊敬していることを感じ、二人の団結力を感じることが出来ました。

○ 日曜日午後 決勝レース②

さて、レースに話を戻します。
レース後半にペースが上がらなかった原因をチーム一丸となって追及しますが、中々答えが出ず…
ただ、不安要素は残さず出来ることはやろう!と前向きに取り組みます。

そんな中で迎えた決勝レース②は、午前に比べて暑さも落ち着いてきました。
決勝レース②は、5番手からのローリングスタート(走りながらレースが開始される方法)で行われ、石井選手はローリングが得意だという印象があるので、期待も高まります。
そしていよいよレースがスタート。アクシデントもありましたが、石井選手は冷静に判断し4位にポジションアップ。
そこから3台での3番手争いが始まります。石井選手以外の4台は全員450PS。
普通に考えたら厳しい!

ですが、ここであきらめない強さを持っているのがDGMSです。
2台を抜いて3番手浮上!…するもストレート区間で馬力差により抜かれてしまう…
走っている本人、チーム全員ももどかしさを感じましたが、450PSについていけていること、さらにセクター3では勝っている区間もある!ということで非常にピットの雰囲気は明るく感じます。

抜き切るという所まではいかなかったものの、決勝レース①の課題であった後半のペースの悪さもしっかり改善し、他車とほぼ遜色ないタイムで走行を続けることが出来、4位にてチェッカーを受けました。

レーススタートまで原因がわからなかったものの、車両を本番に合わせ、戦い抜いたDGMSチームに驚きと感動が止まりません。

石井選手 決勝レース②を終えて

タイヤが良い状態の時に、前を走行する450PS車両に引っかかってしまい思うように順位は上げられませんでした。その後自分のペースでしっかり走れるようになってからは、きちんと修正することが出来たので良い走りだったと感じます。とにかく集中して走ったので疲れました。次はいよいよ最終戦。チーム結成6年目の挑戦となりますので、悔いのないように戦っていきます。応援よろしくお願いします。

金メカニック

やはり馬力の差は大きいですが、ライバル達も腕が上がっていることを感じました。決勝レース②に向けて車両の変更もうまくいき良かったと思います。次はパワー差もなくなりますので、チームで話し合いながら次戦に向けて準備します。

小川監督

こうすればよかったなどは色々ありますが、結果4位ということで満足してはいないが、悪くはなかったと思います。次に繋がるレースになったし、逆境の時もあるよなと感じました。決勝レース①から決勝レース②にかけてチームで話し合った結果、決勝レース②では、自己ベストを出すことが出来て良かったです。次は最終戦となり、馬力差がなく全員が450PSで戦います。チームの底力を出しチーム・ドライバーチャンピオンを取って有終の美を飾りたいです。

厳しい状況でも諦めず立ち向かった結果が「速さ」に繋がったレース。
今回の結果を通じて、最終戦は全員が同じ450PSで戦えるということもあり、DGMSの強さを十分に発揮できると確信したROUND5富士でした。

そんなDGMSは、決勝レース同日に多くのイベントを併催しておりました。
1. 学生観戦ツアー(観戦のみならずメカニック座談会&メカニック体験)
2. 株式会社ファイブスター東都 応援団
3. 新入社員モータースポーツ研修

DGMSは、社内外向けにイベントを開催しています。

この企画を担当したDGMSマネージャーのTomomiさん

今まで自分がレースを見て感動するという経験はありませんでした。しかし、DGMSでチームの一員として活動していると、新たな自分の感情に気付くようになりました。それを学生や新入社員、同年代の人たちにも体感してほしいという気持ちが芽生えるようになりました。ダイワグループでしか得られない経験を知ってもらい、サーキットにて肌で感じてもらう。将来、レースメカニックや運営スタッフをやってみたいと、どんな人でも挑戦できる環境を継続して創り上げていきたいです。

Tomomiさんの想いは、まさに『挑戦すればできる。努力すれば成果に繋がる。』というDGMSの信念を感じました。

拠点にて通常業務を行う時とは、一味違う表情を魅せて戦うDGMSメンバーの姿に社員の方々は、想像以上の迫力という印象を持ったようです。
新入社員も研修とはいえ、普段見られないレースの世界に圧倒され、次戦も見てみたい!というモータースポーツに興味を持ち始めていました。
学生は、「将来メカニックとして働きたい」という目標を掲げ、メカニックとの座談会では目を輝かせながら交流をしていました。

グループ社員で構成するモータースポーツチームDGMS。
自身レベルを上げてみたい、新しいことに挑戦してみたい、自分の可能性を引き出したい方は、ぜひダイワグループ採用担当までご連絡ください。
⇒ https://daiwagroup.jp/recruit/
⇒ https://mecha-recruit.daiwagroup.jp/

そして、次戦はいよいよ最終戦。
ドライバー及びチームシリーズチャンピオンが決定します。

ずば抜けた速さを見せたDGMS。次戦は足かせもなく伸び伸びと走り気持ちよく最終戦を終えられたらと、私も願っています。
そんな最終戦は11月29~30日 モビリティリゾートもてぎにて開催です。
笑って終えられるように! 皆さま、現地でお待ちしております!
#55 DGMS の応援をよろしくお願いいたします!