- 開催:5/10(土)-5/11(日)
- ドライバー:石井 一輝
- REPORT:東風谷 高史
- Photo by 小笠原 貴士

皆様こんにちは。DGMS(ダイワグループモータースポーツ)ドライビングアドバイザーを務める東風谷 高史です。鈴鹿ラウンドのレースレポートを担当させていただきます。
開幕戦の富士ラウンドから場所を移して第2戦の地、鈴鹿サーキット。
2025年F1日本GPの余韻が残るこの地に今年も戻ってきました。
昨年も鈴鹿サーキットで優勝を果たしたDGMS。『得意の鈴鹿』で連勝なるか。

○ Day1(5/9 フリープラクティス)
金曜日のフリープラクティス(練習走行)は20分を2セッションと走行時間が少ないため、積極的に走行したいところでしたが、路面はウエット…。翌日の予選が晴予報のため、走る意味が無いと判断。ドライバー 石井選手(株式会社ファイブスター東都所属)の肩慣らしとウエットセッティングを確認し、1本目を終えます。


続く2セッション目もコースコンディションは雨…、しかも雨量は増加傾向。ドライバー判断により、2セッション目の走行をキャンセル。「予選は、ドライだから走らない」と石井選手は決めたものの、他のチームは精力的に周回を重ねる状況に「走れば良かった」と少々後悔した様子でした。
雨天のBMW M2 CS Racingは、とても乗り易く刺激的な車両なので石井選手の気持ちも理解出来ますが、我々の目標はポールポジション&優勝なのでジッと我慢です。



○ Day2(5/10 予選)
天気予報通りのドライコンディションと言いたいところですが…。昨晩の雨が残り、コース上はドライとウエット路面の混在する難しい状況から予選がスタートしました。コースインし、タイヤを温めてタイムアタックに入る直前、石井選手の判断によりPITイン。路面がウエットからドライへ好転しているため、予選残り10分でタイムアタック。以前までは、PITで戦略を立ててドライバーに伝えていましたが、最近は石井選手自身が判断するようにまで成長してきました。
そして、その判断は的中します。
他の陣営は走行を終えPITに待機、順位が確定かと思われた予選終了3分前。
石井選手がトップとの差をコンマ1秒短縮しポールポジションを獲得!
昨年のRound.5富士スピードウェイから、4ラウンド連続でポールポジションを決めてくれました。
「決勝レース①(第3戦)を必ず優勝」と掲げたチームの目標に一歩近づいた予選となりました。

○ Day3(5/11 決勝)
決勝レース①(第3戦)は、メインスタンド前に停車し、シグナルがブラックアウトと共に全車が1コーナーへ飛び込んでいくスタンディングスタート方式です。


スタンディングスタートは、スタートの失敗による失速や接近戦によるリスクがあります。ポールポジションの利を生かして是が非でも勝ちたいこの第3戦。
スタートは無事に決め、1コーナーをトップで通過します。石井選手も「珍しくスタートが上手くいきました!」とレース後にコメント。
序盤から飛ばしに飛ばし、後続を1周1秒以上引き離しに掛かります。
その勢いは止まらず、後半のレースラップも他車より1秒以上速く、2位以下を15秒以上引き離し、堂々のトップチェッカーとなりました。

レース中のファステストラップも記録し完全優勝を達成!

この鈴鹿ラウンドより、新しいレーシングスーツにて挑む石井選手。
優勝した表彰台での、NEWスーツのお披露目は幸先の良いスタートとなりました。

続く決勝レース②(第4戦)は、午後4時頃に行われました。午前の決勝レース①(第3戦)と比較すると気温と路面温度も低下し、車両のコンディションを適切に合わせられるかも勝負のポイントです。金メカニック・押井メカニック(株式会社モトーレン東都所属)も出走ギリギリまで、調整に余念がありません。


そして迎えた第4戦では、リバースグリッド方式。第3戦の上位4台が入れ替わるため、DGMSは4番手からのスタートになります。4番手スタートは、ハンデとなりますがこの位置からどこまで追い上げられるか、大量ポイントを持ち帰るためにも連勝に向けてスタートします。
ローリングスタートは、大きな混乱もなくスタートしました。優勝候補の車両はスタートした直後の2コーナーで、トップに浮上して後続を引き離しに掛かります。

石井選手は4番手から3番手にポジションアップ。
石井選手の胸中は・・・、2番手争いに時間を掛けたらトップが逃げてしまうと焦り始めます。しかし、レースデビューから確実に成長してきた彼は冷静でした。周回遅れの車両を上手く追い越して、その隙をついて2番手に浮上します。レースの残り時間は10分となり、トップの車両は8秒先と遥か先に。

しかし、ここからDGMS 石井選手の猛追が始まります。
2番手浮上により、クリアラップとなった石井選手はファステストラップを連発!
ラスト1周で、トップ車両とのタイム差を0.9秒まで捕らえました。
決勝レース①(第3戦)と同様に、後半のラップタイムの落ち込みが少なく安定したラップタイムを刻めるまでに成長し、彼は本当に強くなりました。
ファイナルラップは、手に汗握る攻防でしたが、両車共にクリーンなバトル。お互いをリスペクトし、正々堂々と勝負しているように見えました。
PITのDGMSメンバー全員が、モニターに釘付けとなったファイナルラップ。現地で観戦しているお客様やYouTubeライブ配信をご覧になった方々も目が離せない1周になったと思います。
結果は、0.1秒差の2位となりましたが見応えのある素晴らしいレースを石井選手は見せてくれました。

ドライバーの成長も著しいですが、速い車両を仕上げるメカニック、チーム運営に携わるマネージャーやメンバー全員の成長を感じる素晴らしい鈴鹿ラウンドとなりました。


次戦は、昨年2戦2勝の地、岡山国際サーキット。
DGMSは、30馬力ダウンのサクセスハンディキャップを背負いますが、ドライバーシーズンチャンピオンに向けて、クリーンかつ強い走りで頑張ります!
引き続き、皆さまの応援をよろしくお願いいたします。
