- 開催:11/23(土)-11/24(日)
- ドライバー:石井 一輝
- REPORT:岩岡 万梨恵
こんにちは!
DGMS(ダイワグループモータースポーツ)のチームレポートを担当させていただきます、レーシングドライバーの岩岡万梨恵です。
BMW&MINI Racing Round6モビリティリゾートもてぎ、2024年最後のレースをお届けします。
目標は「チームタイトルを獲得すること」
思い返せばチームを設立して5年目。
2023年の開幕戦は、ここ“もてぎ”が開幕でした。
しかし、DGMSは練習走行でのクラッシュにより参戦することが出来ませんでした。
初めての大きなクラッシュに、チーム全員が驚き、このままシーズンを終えるのか?
というところまで深刻な状況でした。
しかし、「やる!と決めた以上最後までやり通す」という強い気持ちを胸に、チーム全員がそれぞれ出来ることをやり形にしていき、復活を遂げることが出来ました。
そんな因縁のある“もてぎ”で最終戦を迎える今回。
現在チームランキングは1位。しかし、2位とは僅差なため、気を抜くことが出来ません。
トラウマを払拭し、確実に「チームチャンピオン獲得」を目指して、2レース共に優勝を目指します。
○ 11月23日(土)公式予選
練習走行から感触の良かった#55 DGMS(ダイワグループモータースポーツ)は、自信に溢れていました。
「自分たちは大丈夫、絶対できる」
そう信じて、コースイン。しっかりタイヤの温まり等を感じ取りながらアタック。タイヤのおいしいところをしっかり使うためきっちり1周で2,04,064とポールポジションタイムを出しました。そのままピットインし、ライバルの動きを待ちます。
2位の選手との差が0,012秒とひやひやする場面もありましたが、決勝レースのためにタイヤを温存しておきたい。という気持ちもある中で、ピット待機。
そして、予選時間が終了となり、なんとポールポジションを獲得することが出来ました。
予選を終えた石井選手
幸先の良いスタートにチームの士気が上がります。
○ 11月24日(日) 決勝レース1
ポールポジションからのスタート。グリッドに並び、前に誰もいない景色は格別です。
「さあ、いくぞ!」
意気込んで始まったレース1。
スタートが少し出遅れてしまった石井選手は1コーナーで2位に沈んでしまいます。レース前からスタートの心配をしていましたが、言霊となってしまった1周目。
しかし、自信に満ちた石井選手は強気な姿勢で挑み、2周目チームの前を通り抜けるころにはしっかりと抜き返し、1位を取り戻します。
そこからは抜群の速さで2位以下をぐんぐん引き離し、追いつかれることもなく、そのまま優勝を勝ち取ることが出来ました。
髙野代表
レース内容も全ての周でベストラップを出し続けられたことはとても良いレースだったと感じます。
レース2ではリバースグリッドとなりますが、念願の連続優勝を目指していきたいです。
決勝レース1を終えた石井選手
しかし、フィーリングは良く、自信があったので落ち着いていけました。
次が今年度最後で寂しさもありますが、積極的に勝つことを狙っていきます。
今大会、2024年最後のレースということで意気込んで準備をしてきた、メカニック高橋
そしてポイントランキングが良いところに来ているので、チーム力が試されると感じています。
レースまでの流れは良かったですが、直前の走り込みが上手くいかない点があり、少し不安な部分もありました。
最後まで勝ちにいきたいと思います。
そして、DGMSに憧れて入社したメカニックがSUGO戦よりチームに加入しました、メカニック押井
レースの世界は想像以上に忙しく、学ぶことが多くあります。SUGO戦から加入させていただき3戦目になります。
レース現場を通して、時間管理や車の限界値での動かし方、セッティングを学び、これが通常業務でも活きてくると感じています。チームメンバーに温かく受け入れてもらいながら、足りないところを学びながら成長していきたいです。
年々、DGMSの活動は社内外へ広がりつつあります。
それは、「数々の感動」と「一人一人の成長」を応援してくださっている皆様が体感されているのではないでしょうか。
○ 11月24日(日) 決勝レース2
レース1の結果により、上位60%以上はリバースグリットというルールのため、DGMS#55号車は、4番手からのスタートとなります。
「勝ちたい。」
社内から駆けつけてくれた25名の応援団の想い、そして力を合わせて走り続けてきたチームの想いを背負い、石井選手と#55号車が出走します。
レース2は、隊列を整えコースを一周し、そのままスタートする、ローリングスタート方式。
スタートまで、前方車両との間隔の保ち方がキーとなります。
スタートと同時に、スイッチが入ったような切れの良い走りを魅せる石井選手。午前中のレースが彼にとって自信に繋がったのか、力強い走りを魅せます。誰よりも速いラップタイムを刻みながら、他車を抜きづらいコースであるもてぎで1台1台確実に追い抜き、順位を上げていきます。
そして、気が付けば2番手まで上がります。
トップの選手はレース経験が豊富で規定により馬力が下げられていますが、やはり経験値の差、上手くブロックラインを使いながら抜かれないよう工夫して走行しています。
ここからはドライバー同士の心理戦。いつ来るのか、いつ行くのか、その後相手を離すまでどうやってもっていくのか、お互いに先の先まで考えながら走行します。
そして、待ちに待った瞬間がやってきます。
一瞬の隙をついたのは、石井選手。
1コーナーでトップに躍り出ます。
そこからは石井選手の独壇場。
一気に後続との差を広げていきます。
「今日の石井選手は強い・・・。」
ピットの中で、誰かが囁きました。
そして、そのまま逃げ切り、優勝!
DGMS発足から、石井選手は初の2戦2勝を達成することが出来ました!
ピットにいた誰もが感動に包まれたこの瞬間。
一言で表すと、「最高」です。
モータースポーツは一瞬でこんなにも多くの人を感動させることが出来ることを、私も改めて感じました。
やっと・・・、やっと掴んだチームチャンピオン。
5年前は「無事に完走!」が目標でした。
そこから表彰台、優勝を目指し、そして今年は年間を通して、一番成績を残しポイントを獲得したチームに贈られるシーズンチームチャンピオンを獲得するまでに成長することが出来ました。
2戦2勝を果たした石井選手
やはり今まで去年のクラッシュによりチームみんなに迷惑をかけたという所が引っかかっていたので、ここ“もてぎ”で勝てたことが本当に嬉しいです。
チームタイトルも最高の形で決めることが出来て、これ以上はないですね。
今年一年、皆様応援をありがとうございました。
序盤はなかなか勝てず、接触がありましたが、前回の富士から強さを見せることができ、観戦していて刺激があったのではないかと思います。
これからもモータースポーツの楽しさを伝えられるよう頑張ります。
引き続き、応援をよろしくお願いいたします。
メカニック高橋
自分たちも努力している分、レースを重ねるとライバル達も速くなり、一筋縄ではいかなくなりました。しかし、Round5の富士戦から流れが変わりました。
今まで苦手としてきた雨ですが、「雨で勝てた」という自信に繋がり、今回の走りに繋がったように感じます。
小川監督
一年間頑張ってきたことが結果に繋がったと強く感じ、率直に嬉しいです。
チーム設立から、まとまりが強くなり、特に石井選手はどんな場面でも落ち着いて着実に順位を上げていくことができ、安心して見ることが出来るくらい成長してくれたと感じます。
メカニックもどうすれば速くなるのか、安心して乗ってもらえるのか、それぞれ自分たちで考えられるようになり、素晴らしいチームに育っていると思います。
社内でも応援の輪が広がり、注目されていることを感じています。
髙野代表
活動してきた中で、5年前は完走すること。
今年の目標は優勝、シリーズチームチャンピオンと目指すステージが変わっていき、またそれを達成することが出来ました。
このことから人の可能性はここまであるのかと改めて感じています。
私は、挑戦を抜きにしたら豊かな人生は送れないことを伝えたいと思っています。
多くの失敗から学ぶことは必ずある。
自分の殻を破っていこうという気持ちからチームに「挑戦すればできる。努力すれば成果に繋がる。」と掲げています。
今回、チーム一人一人がそれを感じることが出来たのではないかと思います。
これで2024年DGMSのシーズンは終了となります。
毎年、素晴らしい結果を残し、積み上げているDGMS、沢山失敗をしてきました。
思うようにいかず、自分に腹が立つことも・・・。
ただ、悔しいで終わらず、
「どうしたらこの壁を乗り越えられるのか?」
「何を変えなければならないのか?」
「問題はどこなのか?」
チーム全員がそれぞれの通常業務を抱えています。合間の時間を使って、レース毎にチームで話し合う機会を増やし協力してきました。一人一人でも「いま何が出来るのか」を自分で考え、トライアンドエラーを繰り返した結果、2戦2勝、そしてチームタイトル獲得を達成出来たのだと思います。
今大会、私がピットに入った時からチーム全員の顔が凛々しく、自信に満ち溢れている姿を見た瞬間、「さらにチーム力が上がったこと」「絶対に勝つんだという強い気持ち」そして「応援団からの声援がチームのパワーとなったこと」5年間を通してDGMSの大きな成長を感じました。
素晴らしい瞬間に立ち会うことが出来て、今後はどんなDGMSになっていくのか期待が膨らみます。
2025年の開幕戦は、3月を予定しているそうです。
来年度のDGMSも乞うご期待ください!
<いつもレポートを読んで頂いている皆様へ>
今年も沢山の応援をありがとうございました!
また来年、お会いできるのを楽しみにしています!