- 開催:7/20(土)-7/21(日)
- ドライバー:石井 一輝
- REPORT:東風谷 高史
- Photo by 川上 浩之
こんにちは。
SUGOラウンドのレースレポートを担当するDGMS(Daiwa Group Motorsport)ドライビングアドバイザーの東風谷高史です。僕は、DGMSが始動した頃からこのチームのレーシングコーチとして携わっています。
前回の岡山ラウンドから3週間。あっという間のSUGOラウンドです。
車両メンテナンスは勿論、メカニック、チームスタッフと全てがグループ会社の社員で構成されているDGMS。
日々の業務とレース活動の両立をしながらシーズンエントリーをしています。
前半戦(Rd.1~Rd.4)のタイトスケジュールの山場を迎えた重要な1戦が始まります。
今回は何と言っても、DGMSの社員ドライバー 石井一輝が復帰!
これに尽きるでしょう。
社員ドライバーとして、本業のディーラー業務とレーシングドライバーを兼務してきた5年間。
5年前、僕は石井選手に一言アドバイスしました。
それは…、
『レースをしたいなら、仕事を人の倍以上働いて社内に貢献しなさい。』
と伝えたのを覚えています。
そして2024年「サービスマネージャー」という役職が付くまでに昇進しました。レースに携わっていくうえで、彼の中で“何か”が変わったんだと思います。
前回の岡山ラウンドの欠場により、いつにも増して気合いが入る石井選手のSUGOラウンドが始まります。
○ 7/18(木)~19(金)練習走行
通常であれば金曜日から練習走行となりますが、レーススケジュールが岡山ラウンドから3週間後とタイトなため、そして石井選手は鈴鹿ラウンドから2ヶ月間のブランクがあったため、今回は木曜日から練習走行となりました。
M2CSRacingのセットアップは石井選手の希望により岡山でのセットのまま。
僕が前回の岡山で仕上げたセッティング状況で走りたいとの要望でした。
2ヶ月のブランクを埋める自身の慣らしとマシンとの対話に充てた30分間。
岡山とSUGOではレイアウトが違うので同じ評価は出来ませんが…。
石井 :運転が難しいけどドライビングが決まった時のコーナリングはとても速い!
東風谷:ならばドライビングをミスなく走ってよ(笑)
石井 :はい(苦笑)
いつものやりとりが始まりました。
こんなやりとりをしつつもタイムは、そのセッション中M2CSRacing勢トップと上々な滑り出し。
このベースセットから石井選手好みのセットアップを見つけ出す作業をメカニックと共に進めていきます。
○ 7/20(土)予選
セットアップも決まり予選日を迎えます。
レースウィークに使えるタイヤはドライタイヤ8本(2セット)の本数制限があります。
予選+決勝2レース…
皆さんお気づきだと思いますが2セットではタイヤが足りませんよね。
予選で使用したタイヤをレースでも使用しなければならない為、予選は少ない周回数でベストタイムを出してタイヤを温存したいのです。その為、予選アタックは2周のみ!燃料もそれしか搭載しません。
ここはドライバーの腕の見せ所です。
前日までに新品タイヤでのセット確認が出来ていない不安材料がありつつ石井選手をコースへと送り出します。
予定通り2周計測で出したタイムは、『1'31.057』と2番手を獲得。
コースレコードを更新となりましたが、トップと0.131秒差と悔しい結果となりました。
しかし、新品タイヤとセットが微妙に外れていた事も分かり対策して決勝に挑みます。
○ 7/21(日)レース1
猛烈な暑さで迎えた決勝日。
欠場後から戻ってきた石井選手は、スターティンググリットからゴールを見据えます。
スタートが決まりトップ車両と4コーナーまで並走し一度引いて様子をみる作戦に。
相手の走りを見ながら中盤に仕掛ける作戦を練りながらの走行でした。
すると他クラスのアクシデント発生によりセーフティーカー(SC)導入と予定が崩れ始めます。
5周にも及ぶSC導入からリスタートしましたが残り時間は何と6分間。
後半に仕掛ける作戦だった我々には厳しい状況となり2位でチェッカーを受けました。
○ 7/21(日)レース2
上位4台がリバースグリッド対象となりDGMSは3番手スタート。
ポールポジションスタート#47号車を先頭に、上位5台が連なるように周回を重ねます。
石井選手は3番手を走行しラップタイムも良くトップ2台のすぐ後ろを走行し虎視眈々と上位争いに迫ります。
そしてこれから勝負するタイミングでエンジントラブルが発生しパワーダウン。
この時点で勝負権を失い完走ポイント狙いの走行に切り替え7位チェッカーとなりました。
今シーズンはチームタイトル奪取が目標です。
チーム創設5年目にしてチームタイトルを争える体制にまで成長してきました。
チームタイトルを獲るにはドライバーの技量だけではなく、メカニックの車両やレースの知見を広げる事がまだまだ必要です。そしてSUGOラウンドより、チームにメカニックが1名加わりました。モトーレン東都入社3年目の押井メカニックです。マンパワーも強化をし、この困難を乗り越え成長する事でシリーズタイトルを手繰り寄せる事が可能だと信じています。
残り2戦、全力で取り組み正々堂々と勝負してタイトル奪取するぞ!