- 開催:6/29(土)-6/30(日)
- ドライバー:東風谷 高史
- REPORT:岩岡 万梨恵
こんにちは!
DGMS(ダイワグループモータースポーツ)のチームレポートを担当させて頂きます、レーシングドライバーの岩岡万梨恵です。
BMW&MINI Racing ROUND3岡山国際サーキットの様子をお届けします。
実は、今回、シーズンドライバーの石井一輝選手は、本業にて昇進が決まり、どうしても業務の都合がつかず欠場。
しかし、日常業務とDGMSの両立が認められ、チームとしては嬉しい報告でした。
レースに出たい気持ちでいっぱいであった石井選手の気持ちを受け取り、DGMS設立当初からレーシングコーチを担っている「東風谷高史」選手へタスキが渡されます。
今回の目標は「チームポイントの獲得、そしてチームシーズンチャンピオンへの可能性を広げること」。
東風谷コーチ含め、絶対勝たなければならない、プレッシャーを胸にチームで挑みます。
6月29日(土)この日は予選。昨年も岡山でのレースはスキップしたため、ほかのコースと比べて非常にデータが少ない状況。
事前の練習でも前日練習も雨。しかし予選のこの日は気温も高く良い天気に見舞われました。
雨のデータを頼りにセッティングを何とか合わせ、予選は、トップの車両とわずか0,048秒及ばず2位。馬力の差はあれど、東風谷選手は非常に悔しい表情でピットに帰ってきます。
普段石井選手にコーチングしている分、「勝たなきゃいけない」というプレッシャーを背負い、その中でも戦っていることが、痛いほど伝わってきます。
ただ、翌日の決勝レースは雨予報。チーム内のデータとしても、東風谷選手にとっても恵の雨になることを期待してその日を後にします。
6月30日(日)決勝レース1。
ホテルから外を見ると路面に水たまりもできる程の雨。金曜日の前日走行では、雨の走行でライバル車両よりも2秒も早いタイムで走行していたというDGMS。
決勝レースが非常に楽しみです。
しかし、サーキットに近づくにつれ雨が上がっていく状況。レースまでの時間もみんなで雨ごいしながら待ちます。
いよいよレース1。路面はウェット。しかしこの後雨が降る予定はなく、タイヤの選択に悩まされます。
レインタイヤ(雨用の溝ありタイヤ)を選べば、路面が完全に濡れていれば、タイヤの溝で水をはけることができ、タイヤのグリップを感じることができます。
スリックタイヤ(ドライ用溝なしタイヤ)を選べば、路面が乾けば溝がない分、タイヤの接地面積が増え、表面温度が上がり、しっかり路面を捉えることができ、タイムも上がっていく。しかし、雨が降り出した場合、タイヤの溝がないため、水をはけさせることができず、ハイドロプレーニング現象がおきてしまいます。非常に滑りやすく、とても攻められない、コースにとどまるのが精いっぱいという状況に陥ります。
スターティンググリッドに着いても路面状況は微妙。小川監督はぎりぎりまで雨雲レーダーとにらめっこ、末次シニアマネージャーは他チームの様子を偵察しに行きます。
雨も降らなさそう、このまま路面は乾いていく予定!ということで、DGMSはスリックタイヤを選択。
ここから雨が降らないことを祈ります。
いよいよレーススタート。路面はまだウェットの為、様子を見ながらスタートしていきます。2周目の1コーナーでアウト側からトップ車両を抜き、トップに躍り出たDGMS。ここで他クラスの接触により、安全を担保すること、コース確認のため、セーフティーカーが入ります。
その後、レースは再スタートと同時に、東風谷選手は、コースコンディションの良いところをコーナー毎に1周1周探しながら確実にタイムを上げて後続を引き離していきます。
その後大きな問題もなく無事にトップチェッカー!
DGMSは今期2度目の優勝を獲得します!
東風谷選手
小川監督
なんだかホッとしたような雰囲気の中、レース2に向け、レース1のフィードバックを行います。
そして迎えたレース2。今度はリバースグリットにより、5番手からのスタート。このリバースグリッドは、前レースで1位を獲得しても上位60%の車両がリバースとなる。つまり、5番手で終えた選手が次は1位からスタートします。タイムの差があっても、追い抜きづらい特徴を持つ岡山国際サーキットでは少し厄介なルールです。
そしてグリッドにつくと同時に雨がぱらつき、レース1よりも路面は濡れている状況。周りの車両も続々とレインタイヤに変更していきます。
DGMSもぎりぎりまで選択を悩みました。しかし、雨が得意という東風谷選手を信じて、そして今までテストしてきたデータと比べながら、Newスリックタイヤを選択。
この状況でのスリックタイヤは、まるで目隠しされながら平均台の上を歩くようなとてもシビアなコンディション。
東風谷選手を信じて、DGMSはレース2を託します。
そしていよいよレース2スタート。1周の間に5番手から3番手、そして2番手と確実に順位を上げていきます。
序盤は、路面も濡れており、やはりレインタイヤの方が優れている状況。路面も冷えているため、スリックタイヤを温めるのは至難の業であると感じます。しかし、レースも中盤に差し掛かるあたりで少しずつ路面も乾き始め東風谷選手のペースが上がり、レインタイヤ勢のペースが落ちてきます。
トップと3秒あった差も2秒、1秒、気が付けば真後ろまで迫る状況。タイミングを見極めつつ一気に抜き去りトップに出ると、ぐんぐん後ろとの差を広げていきます。最終的には2番手の選手と3秒差をつけ見事トップチェッカー。
DGMSは岡山国際サーキットで2連勝を遂げました。
東風谷選手
次戦復帰する石井選手へ、そしてさらにDGMSが強くなることを感じるコメントを頂きました。
今回のレースを通して髙野チーム代表は
石井選手がいないという不安な状況に一時は欠場するかまで迷ったというDGMS。しかし、参戦している以上、何かで結果と繋げたいということで、参戦が決まった今回。今までチームシーズンランキングは3位につけていましたが、今回の岡山戦でポイント獲得し、DGMSはトップに躍り出し、今回の目標を達成することができました。
そんなDGMSチームメンバーは、それぞれどんな仕事をしているのか覗いてみたいと思います!
髙野チーム代表
小川監督(株式会社ダイワグループ マーケティング部ディレクター)
「個人個人の役割を知り、それぞれが考えて担うことにより、それが大きな力となってチームの成長、そして”勝ち“に繋がることが一番の喜びでやりがいです。」
レースには欠かせないメカニック:高橋さん&金さん(株式会社モトーレン東都)
高橋さん「レースメカとしては、ドライバーからの要望を、正確に車をセットできるか、それが結果に繋がると嬉しくやりがいを感じる。サーキットで得た経験が、自分のメカとしての引き出しも増えていき、本業でも活きていることを実感している」。
金さん「自分のセッティングした車が成績を出すのが一番嬉しい。普段の業務もあり、限られた時間の中でメンテナンス等行わなければならないが、それが優勝に繋がったりすると喜びは格別です。」
チーム運営スタッフ、モータースポーツコンサルタント:松さん(株式会社モトーレン東都 営業企画課)
また、モータースポーツコンサルタントとしてダイワグループはBMW M2 CS Racingの販売を行っているため、レースに参戦しているチームに何かトラブルがあった場合の対処も松さんが対応しています。
「チームが表彰台に登ってくれた時にやりがいを感じます。」
タイヤの管理も含め、事前の準備をするにあたり非常に重要な役割を担っている松さん。いつも穏やかな雰囲気からは想像が出来ない程の仕事量をこなしています。
チーム運営責任者:末次さん(株式会社ダイワグループ シニアマネージャー)
マネージャー :Tomomiさん(株式会社ダイワグループ)
Tomomiさん「本気でモータースポーツの魅力を社内外に発信していきたい!」チームメンバーが一体となり、より最高の結果を得られるように、自分に何が出来るのかを常に考えて言動しています。
サーキットには、目に見えない部分でサポートしている人が多くいます。私は、モータースポーツこそ、多くの人が関わるチームスポーツであると感じています。
誰か一人でも欠けたり、だれか一人でも”勝たなくてもいいや“という気持ちが結果に繋がらない原因となります。
DGMSの強みは全員がレースに対して、真剣でいるからこそ、誰でも軍手をはめてタイヤを運びます。
今自分が出来ることを考えて行動に移すことで、団結力が高まり、だれにも負けない、絆が深まるチームになり、それが今回の勝利に繋がったんだと思います。
次戦は7月20~21日、石井選手の復帰と、DGMS得意なコースの一つであるスポーツランドSUGOです。
今後ともチームの動向、メンバーの個性、楽しい雰囲気も合わせて応援していただけたらと思います!
行くぞ!DGMS!