BMW & MINI Racing 2026

M2 Racing Series

Round2(第3戦-第4戦)

モビリティリゾートもてぎ[栃木県]
  • 開催:4/25(土)-4/26(日)
  • ドライバー:#1 石井 一輝、#55 永平 裕一(砂子塾・ジェントルマンドライバー)
  • REPORT:岩岡 万梨恵
  • Photo by 大島 洋行

こんにちは!
DGMS(ダイワグループモータースポーツ)チームレポートを担当させていただきます、レーシングドライバーの岩岡万梨恵です。
BMW&MINI Racing(BMR)2026 Rd.2となる今大会は、モビリティリゾートもてぎにて行われます。

前回に引き続き、新旧型のBMW2台体制で挑戦し、#55をドライブするのは今大会がBMRデビュー戦となる永平裕一選手がハンドルを握ります。
モビリティリゾートもてぎは、ストップアンドゴーというメリハリのある運転をするコースの一つとして有名ですが、コーナリングスピードをいかに落とさずに走るかが重要となるコース。
新型BMW M2 Racingの強みでもある「コーナリング」を生かして、どんな戦いになっていくのか、ぜひご注目ください!

金曜日、まずは予選。
1位と2位はプラチナ、エキスパートという経験豊富でBMR事務局から認定されたドライバー。
その後ろに控えるのが3番手、1号車 石井選手です。

予選を終えた石井選手

ブレーキに自信があり、そのためコーナーへブレーキを遅らせすぎてしまい、スピードが落ちきれずアクセルを踏むのが遅れる…。なかなかこれを改善できずにトップとの差をつけられてしまいました。新型のパワーがない分、コーナリングスピードを上げていかなければならないが、そこのコントロールが難しいと感じています。ただ、S字の切り返しが軽快に曲がり、車両が軽いのでブレーキの効きは、ブレーキが厳しいもてぎでも問題なく走行できるので、そこはすごく楽しいです。

私は、前戦富士にてBMW M2 CS Racingに参戦しましたが、やはりBMW、50:50を目指している車両配分のおかげか、想像以上にブレーキが効いて1,5トンという重さを感じないくらい、しっかりと止まり、どこまでもブレーキ行けちゃうんじゃない!?と思ったのが印象的でした。そこから新型車は3~40キロ車重が軽いため、更に止まる感覚があるのでしょう!
しかし、難しいのがもてぎ。ストップアンドゴーと呼ばれるこのコースですが、その名に惑わされてしっかり止めて曲げようとすると回転数が落ちすぎて立ち上がってこない…という車両もあります。BMW M2 Racingは、313PSとそこまで馬力がないわけではありませんが、回転数を落とさず、速くアクセルを踏むために、あえてブレーキは手前で我慢する。その際どい操作がもてぎのポイントです。
石井選手のコメントから、悔しさもありながら、新型の良さも感じ、決勝レース1に向けて期待が高まります。

土曜日、決勝レース1。
プロの走りを間近で見ることができる大きなチャンス。
学びながら順位を上げていくことを目標に、決勝レース1へ挑みます。

決勝レース1はグリッドからシグナル消灯と同時にスタートするスタンディングスタート。
1号車 石井選手は、スタートダッシュを決め1コーナーで2位の選手と並びます。
しかし、イン側を相手に取られていたため抜き切ることができず3番手に留まります。
ストレートのトルクがあるBMW M2 CS Racingを抑えながらトップ2台を追いかけます。
BMRデビューとなる55号車 永平選手もスタンディングスタートは経験ありお手の物。
前の車両にしっかりと食らいついていきます。

トップと2位の選手は終始バトルを繰り広げるが、さすが経験豊富なお二人。1周のタイムが落ちず、隙が無い状態。その後ろから虎視眈々と狙いますが、思うように追いつけない… 非常にもどかしい1号車 石井選手。ただ、その中でもトップ2よりも速いラップタイムを記録し走りながら一つ一つ課題を乗り越えている感じでした。

55号車 永平選手は、好調に飛ばし前方の車両に食らいつきますが、痛恨のスピン。
バックオフしてしまいますが、自己ベストタイムを更新していきます。

あっという間の20分+1周のレース。
1号車 石井選手は3位表彰台獲得。55号車 永平選手は7位でチェッカーを受けました。

決勝レース1を終えた石井選手

スタートしてから1コーナーで順位を上げたと思いきや、コーナリングで車両が思うように曲がらず、その後もフロントのグリップ不足に悩まされました。練習から同じ悩みがなかなか解消されず、車両なのか?自分なのか?…。今回は新型車のストレートも伸び、コーナー旋回スピードも速さを感じたので、旧型に抜かれずポジションを守り切りました。決勝レース2に向けて、2番手からのスタートとなるので、抜かれずトップに出ることを考えて組み立てていきます。

今回、石井選手とタッグを組んだのは押井メカニック(株式会社モトーレン東都)。
DGMS一番の若手で、一人で1台任されるのも今年からです。
前戦富士と比べるとキリっとした顔つきに!?何か変化を感じます。

チームメンバーからも「今週は表情が違う!」と評判の押井メカニック。
実は先輩メカニックの金さんから見ても成長を感じるんだとか♪
今後もさらに楽しみです。

決勝レース1を終えた押井メカニック

今年から一人で1台を任されることになり、大きな責任感を感じています。自分で確認をして、レースと向き合い、途中でトラブルが無いように細心の注意を払っています。しかし、まだまだ至らぬ点が多く、毎回学んだことを改善できるよう意識をしています。
前戦富士を終えてから今大会にかけて、スタート前にやることは何かなど、段取りをシミュレーションしてからもてぎに入りました。

続いて決勝レース2。
上位60パーセントがリバースグリッドのため、1号車 石井選手が2番手、55号車 永平選手は7番手スタートです。そしてスタート方法は、走りながらスタートラインを越えたらスタートするローリングスタート。
1番手の選手が加速するタイミングを計らなければならない、こちらも集中力とタイミングが重要となるスタートです。

1号車 石井選手、55号車 永平選手ともに集中力を研ぎ澄ませながらスタートを切ります。
1号車 石井選手はスタートを決めたが、ポジションを4番手まで落としてしまいます。上位の選手が争う中で、何とかポジションを戻そうと冷静に周りの状況を把握します。
トップの選手へ後ろの車両が抜きにかかり、その隙をついて石井選手も1台抜き、ポジションを3番手へ上げていきます。

永平選手も果敢に攻め、試行錯誤しながら走行。
あの激戦である86レースに参戦していた実力者の一人です。
決勝レース2では安定感があるものの、ストレートの伸びに違和感を覚えます。
実は、永平選手、Toto BMWにてM2限定車をご購入いただき、今回BMWレースへという流れでBMRデビューを果たしました。

永平選手

チームも温かく、アットホームです。BMW M2 CS Racingは今回BOPを下げられていますが、リアの動き方など非常に勉強になります。ゆくゆくはハイパワーマシンも乗りこなしていきたいので良い練習になります。

一方、1号車 石井選手。
トップ2台の姿は見える、近づいているようで近づけないというもどかしさ。そして思うようにタイムを上げられない悔しさ、運転は安定しているものの、どこか燃えきれずに3位でチェッカー。

前回と合わせると4戦連続表彰台獲得!
55号車 永平選手も無事に完走、7位でチェッカーを受けました!

決勝レース2を終えた石井選手

あわよくばスタートでトップを!と思いましたが、気が付けば4位に…。そこから頭を切り替え、無我夢中で走り、またチャンスをしっかり掴んで順位を上げられたのは収穫でした。セットアップに関してもレース2に生かすことができたのも良かったし、新たな発見となりました。しかし、まだ自分の運転が定まらないため、自分自身もトレーニングを重ね、マシンも自分自身もパワーアップしていけるように頑張りたいです。次戦の富士ではリベンジします!

長年DGMSを支えてきた東風谷コーチ

新型車でまだデータが揃っていないこともあるが、上には上がいるという事を改めて感じた今戦でした。新型車はコーナリング性能が長けているため、少し運転のやり方を変えなければなりません。難しいところではありますが、旧型と新型の運転の切り替えが出来ることが今後の課題だと感じます。

私はこの言葉を聞いて、運転の引き出しが増えるという事は更に速く強いドライバーになれる。そして短い時間で車を理解し、速い車に仕上げるメカニックとともに次のフェーズに行くための時期であると感じました。

BMW M2 CS Racingが始まった4年前。
MINIからBMWに車両が変わり、ハイパワーマシンを操りいろんな壁を乗り越えてきました。
でも諦めず、正面から向き合ってきた結果、2025年チーム&ドライバーズチャンピオンを獲得。
何もデータがないところから最高の景色を見ることができました。
…ということを懐かしんでいましたが、そんなDGMSは次のステージへ。
実は、社内での選考を勝ち進んだ新ドライバー候補3名が前戦富士から加入しました。
石井選手に続くNEW社員ドライバー誕生の物語が始まります。

そんな3名は、まずチームの動きから勉強しようということで、レース前の練習日(木曜日)から帯同していました。初めてのレースウィークを終えて3名にインタビューしていきましょう。

諸橋 樹さん(ダイワオートモビルズ株式会社 トライアンフ所沢 セールス)

新入社員研修にてDGMSを知り、その時に富士スピードウェイの1コーナーを見たところからモータースポーツに憧れを抱き、関わりたいと思っていました。しかし、まだ入社2年目なのでまだ先になるだろう考えていた矢先、募集が開始され、今応募しないと後悔する!と思い応募しました。レースデビューに向けて、まずはシミュレーターで練習をしてしっかり走れるように練習していきます。

吉澤 隼哉さん(株式会社トリコローレ東都 アルファロメオ池袋 セールス)

学生の頃、就職活動をしている時にイタリア車の営業をしたいと思い就職先を探していました。いろいろなディーラーがある中で、DGMSの存在を知り、株式会社トリコローレ東都に入社。決め手となったDGMSの社内募集が始まったと知り、すぐに応募しました。サーキットは趣味で走りに行くくらいで、本格的な経験はまだありません。レースに出るために多くの申請手続きがあって、メカニックの方の車両整備があったうえで、チームが参戦できていることを知りました。まずはドライバーデビューに向けて、チームに受け入れてもらえるように運営サポートを頑張りながら、シミュレーターや実車でトレーニングを積んでいき、運転技術を磨いていきます。

堀 雅統さん(株式会社モトーレン湘南 サービスアドバイザー)

ずっと車が好きでドリフトを趣味でやっていました。最近、車遊びを再開したタイミングでDGMSの社内募集が開始。今までレーサーに憧れを感じていましたが、金銭面などから敷居の高さを感じ、手出しができませんでした。しかし、これは大きなチャンスだと思い応募しました。週末を通して、ドライバー、メカニック、運営スタッフなど多くの人が携わり、決勝レースの約20分のために全てを賭けていると感じました。さらにDGMSはコミュニケーションを大切にし、チームが一丸となっていました。レースに向けて、DGMSが掲げている挑戦と努力を胸に、自分にできることをやりながら、現場で得られる情報も全て自分に落とし込んで、ゆくゆくは石井選手のようにみんなに慕われるような、チャンピオンレーサーを目指していきたいです。

このレースウィーク中、3名の新メンバーは自ら車両を拭いたり、タイヤカスを取ったりし、率先して自分が出来ることを探し動いていました。
プロジェクトが始まった2020年。当時も複数のドライバーがおり、その中に石井選手の姿もありました。同じように、自分がデビューする前は車を拭き、現場の空気を吸い、レースデビューするその日までシミュレーターや実車トレーニングを積んできました。

石井選手の上司や同僚の方からも、石井選手がレースを通して、考え方、向き合い方、仕事に対しての姿勢もこの5年間で変わったという話もお聞きしました。
自分の力だけでは出来ないモータースポーツを通して、この3名の成長とデビューレースが楽しみです。

そして、今大会新たな2台体制という形で臨んだDGMS、小川監督からコメントをいただきました。

小川監督

今回初めて、ジェントルマンドライバーを迎え、新しい気づきもありチームにとっても良かったと感じています。レースに関して、今回プロと戦えたことで、課題を感じることができ、石井選手の課題と我々でどうアジャストしていけるか、一緒にどう成長していけるのかというのが身に染みた1戦となりました。新型のBMW M2 Racingはこれからリアスポイラーを付けたり、さらにセットアップや乗り方でまだまだ“伸びしろ”があるので楽しみです。次戦は富士で、新入社員モータースポーツ研修や学生観戦ツアーなどイベントごとがあるので、石井選手やDGMSが築き上げてきた背中が見せられるようにしていきたいです。

仲間も増え、一人ひとりの役割と責任が増え、さらなる成長の兆しが見えるDGMS。
今壁と感じているものは、また一つ強くなるためのステップだと思って、その先の最高の景色をファンの皆さんと一緒に見ることができるように、挑戦を続けていきます。

次戦、6月20日~21日 Rd.3富士スピードウェイ。
決勝日は新入社員モータースポーツ研修も行われるとのこと。ギャラリーが多いとより気合いが入ると思います!引き続きDGMSの応援をよろしくお願いいたします!!