- 開催:9/24(土)-9/25(日)
- ドライバー:石井 一輝(M2 CS Racingクラス)、竹岡 圭(CPSクラス)
- REPORT:岩岡 万梨恵
DGMS(ダイワグループモータースポーツ)のチームのレポートを担当させて頂きます、レーシングドライバーの岩岡万梨恵です。BMW&MINI Racing ROUND4 岡山の模様をお届けします。
すっきり秋晴れとなった週末。今回もDGMSは2台のエントリーとなりました。
ドライバーには、BMW M2 CS Racingクラスは、引き続きファイブスター東都から石井一輝選手、MINI CPSクラスには、モータージャーナリストの竹岡圭さんがそれぞれ担当します。
岡山国際サーキットは初めての石井選手と、岡山国際サーキットもスプリントレースも15年ぶりという竹岡選手の両名は慣れないサーキットということで練習にも力が入ります。
BMW M2CS Racing クラスは、今回もマシン出力が大きなカギを握っています。
参戦台数5台中の内、1台は450ps、1台が前回の優勝によりさらに出力を制限され330ps、石井選手含む他3台が365psでのチャレンジとなります。
M2 CS Racing Sereis 2022は、B.o.P(バランス・オブ・パフォーマンス:性能調整)によるサクセス・ハンディ制を導入しており、優勝したドライバーのマシンには次回ラウンド以降、パワーを一段階下げる出力調整措置がとられます(最終大会を除く)。第2戦の勝者である♯55 石井一輝がこれに該当します。
今回石井選手は「タイムも良くなってきているので、ニュータイヤを履いてまとめていきたいと思います。まだつかみ切れていない部分もあるので、毎周考えながら走行し、あとは気合で! M2CSクラスで初ポール取っていきたいと思います。」とコメント。マシン出力を抑えられながら、前日走行も調子よく、今まで以上に石井選手が自信に満ちているように見えます。
予選当日、16:20から20分間の予選が始まり、BMW M2 CS Racingクラスから石井選手、MINI CPSクラスから竹岡選手の2台がコースインをしていきます。
まず、タイムを出していくのは石井選手。はじめは450psの車がトップタイムをたたき出します。しかし、石井選手は自分のペースで、着実にタイムを上げていき、最後5周目でなんと450psの車両を抑え、1,41,205を出し、1位、ポールポジションを獲得できました。また、コースレコードのおまけつき。この結果にチーム全体も今年の努力が報われたように感じます。
一方MINI CPSクラスの竹岡選手は、前日の走り出しから着実にタイムを上げていきます。このクラスは、予選と2レースをタイヤ交換無しで挑まなければなりません。そのため、タイヤ温存もかねて、3周でアタックをまとめます。2,02,118と練習走行から合計4秒自己ベストタイムを上げ、クラス7位からのスタートとなりました。
翌日、10時20分からスタートとなった第7戦は、石井選手、竹岡選手からいつもと違う緊張感が伝わってきました。石井選手は、M2CSクラス初のポールポジション。今回は石井選手、チーム自体が「勝つ」という気持ちがより一層強く、思いを込めた大事な1戦であることが、今まで以上に感じます。
竹岡選手は15年ぶりという慣れない環境の中、一つ一つを吸収し、「レース2で自己ベストを出して終わる」という目標の中レースに挑みます。
シグナルが消え、いよいよスタート。
BMW M2 CS クラスの石井選手は2位の車両のパワー差でスタートと同時に2位に落ちてしまいますが、9周目に1位に帰り咲きます。
しかし、やはり85ps差もあるマシンではストレートの伸びで差を感じてしまいます。馬力差がある中で、最終周まで粘り、なんと1位との差をわずか0,6秒まで縮めチェッカー。
思いの強い1戦であっただけにゴールした石井選手から涙がこぼれます。
その姿を見て、会社から、社長から、そしてチームからの思いを背負って真剣にレースに挑む姿に、私自身も涙が出そうになりました。
一方MINI CPSの竹岡選手はラリーで培った経験をしっかり発揮し、スタートダッシュを決め、1周目から自己ベストを更新。CPSクラスは、他クラスと混走のため、タイムを落とさない、後ろも気にしながら走らなければならない難しいクラスの一つです。
しかし、練習走行では後ろから他車が来るとすぐに譲ってしまう状態だった竹岡選手。レースでは堂々とした走りを魅せます。しっかりゴールまでマシンを運び、7位でチェッカーを受けます。
レースはまだまだ終わりません。時が進み、15時25分から第8戦が行われます。
第7戦の各クラス60%がリバースグリットでスタートとなります。
BMW M2CS クラス石井選手は2番手、MINI CPSクラス竹岡選手は7番手からのスタートとなります。
レーススタートが切られ、1周目でBMW M2CSクラスの石井選手は1位に躍り出ます。なんとか後方の車をブロックしますが、やはり、馬力の壁が立ちはだかります。抜き返されてしまい、ポジションは2位になりますが最後までプッシュを続け、パワー差がありながら果敢に攻め続ける姿がとてもカッコ良く、精神的にも強さを感じたレースでした。
MINI CPSクラスの竹岡選手もスタートを決め、またまたレース1周目から自己ベストを一気に3秒縮める好タイムをたたき出します。明らかに走行スピードが上がる中で、しっかり自分の走りを見つけ出し、形にしていく姿は、ラリーや今までの経験あってこそのものだと感じました。
最終結果は、石井選手が2位連続表彰台、竹岡選手が7位となりました。
レースを終えた石井選手
竹岡選手は
パワー差もある中で戦い抜き、強い精神力を見せた石井選手、走り出しから7秒もタイムアップした竹岡選手にチーム内から拍手が巻き起こりました。
今までDGMSのチームスタッフの活躍をご紹介してきましたが、今回はファイブスター東都社員、ドライバーの石井一輝選手をクローズアップしていきたいと思います。
レースに出るきっかけとなったのは、DGMSのドライバー募集時に立候補をしたところから始まります。
15名集まったドライバー候補の中から1年目は3名のドライバーで、1戦毎に交代をしながらレースに参戦しました。
初めからコースアウトをして、元気いっぱいだったという石井一輝選手。
選考の際も砂子塾長の下、タイムや乗り方などを見て選ばれた一人でした。
そこからレース経験やシミュレーター訓練を重ね、ぐんぐん成長していく石井選手。
そんな姿にダイワグループ高野社長は期待を込めている様子。
監督の小川さんは、期待通りの成長をしていると絶賛。
石井選手と二人三脚で歩んできた東風谷コーチは…
予選前日の夕食時、私は正直、チームからの石井選手への圧のかけ方がすごく大きく、メンタルが潰れないか心配なくらいプレッシャーをかけられていました。
しかし、その裏には、皆の期待と石井選手を信じているからこそ、出てきた言葉で、実際インタビューしてみると、高野社長、小川監督、東風谷コーチみんな声をそろえて石井選手の成長ぶりに驚き、またしっかり努力していることも知っていました。
レースを始めて3年、職場からは「石井は変わった」と言われるように、しっかり仕事もより一層精を出して取り組んでいるとのこと。
“レースは人間を成長させる”このことを高野社長は知っていたからこそ、このDGMSを立ち上げたのだと改めて感じました。
次戦はいよいよ最終戦。12月11~12日鈴鹿サーキットにて行われます。
最終戦に向けて、石井選手のコメント
最終戦に向けて、竹岡選手のコメント
堂々と話す石井選手の姿を見て、自信をつけた様子が伝わってきます。
そして、MINIを存分に楽しみながら一歩一歩着実に歩んでいく竹岡選手。
チーム全員が誇らしく、さらなる成長につながるであろう最終戦。DGMSの活躍がとっても楽しみです。
そんな最終戦は、日本で最も有名といっても過言ではない鈴鹿サーキットで行われます。
今年のBMW初代チャンピオンは誰の手に?
そしてMINIではどのような走りが見られるのか?
DGMSの2022年は笑顔で締めくくることが出来るのか?
チーム全員の集大成、本気で戦っていきます。12月11日~12日、応援よろしくお願いします。