BMW & MINI Racing 2023

M2 CS Racing Series

Round2(第3戦-第4戦)

富士スピードウェイ[静岡県]
  • 開催:5/13(土)-5/14(日)
  • ドライバー:石井 一輝
  • REPORT:REONA

DGMS(ダイワグループモータースポーツ)レースレポート担当『 REONA 』です。
5月13日(土)・14日(日)、富士スピードウェイ[静岡]にてBMW & MINI Racing2023 Round2 が開催され、今シーズンのBMW M2 CS Racingクラスは、昨年度同クラスにてシリーズ2位を獲得した当社社員の石井 一輝(ファイブスター東都)がドライバーとして参戦いたしました。

Round1もてぎ戦は練習走行にて車両の復旧が困難な状況になり出場を断念。
この日がDGMSチームにとっての開幕戦。ドライバーをはじめ、メカニックやチームメンバーもより一層気持ちが入っているようでした。

予選前の石井選手コメント

今回、会社とチームがとても力を尽くしてくれた。それに報いるために結果はどうあれ、まずは明日の決勝のスタートラインに並ぶこと、実力以上は出ないので落ち着いて走ること。
目標?もちろんポールポジションです!頑張ります。

13日(土)14:05からの公式予選。たくさんのカテゴリーのレースが開催されておりゆっくり目のスタート。
午前中から大粒の雨が降り、コースのところどころに川ができている走りづらいコンディション。
コーチの東風谷さんも「雨量が安定しないからタイヤの内圧の選定が難しいね。」と頭を悩ませていました。

そして今回は、前回と車両も変わり新たにセッティングが必要。
メカニックの高橋さん、金さんはレースのギリギリまで細かい設定を調整していました。

迎えた予選。
20分間走行でのラップタイムの速さで、明日の決勝1レース目のスタートポジションが決まります。
石井選手は元気よくピットから出発。快調にスタートして行きましたが、コースに出てすぐに車両の異変に気づきピットイン。後に聞いたところ「ストレートで140km/hくらいしか出ない。」状態だったとのこと。

戻ってきた車両をすぐにメカニック2人で点検とトラブルの究明を行い、7分ほどで再スタートを切りました。この時7番手タイム。残り時間10分ほど。
低速車両も混走する中、車の感覚を掴み直し2.07.340の2番手タイムをマーク。
ピットで見守るチームクルーからも安堵の声が聞こえました。

予選終了後の石井選手コメント

雨で緊張感のあるレースでした。
アウトラップでマシントラブルが出て予選の半分をピットで過ごしてしまったが、メカさんの迅速な対応のおかげで残りの時間きちんとアジャストする時間が取れたので、最低限許してもらえる結果を出せたのかなと思っています。

20分と少ない走行時間の中、メカニック、ドライバー共にイレギュラーなトラブルに対して瞬敏に対策をしてしっかり結果を取りに行く。レースベテランのチームでもなかなか難しいであろう課題をクリアし、チームの一人一人の成長を感じられる予選となりました。

14日(日)決勝。決勝は2レース行われます。

予選前日も車両のために奔走し昨日は寝不足気味だった、まさに寝る間も惜しんで車両をセッティングしてきたメカニックの金さんコメント

車両は順調。セッティングは最終の打ち合わせをしているところです。
スタート時に雨が降り出したらタイヤをその場で交換することになるのでそれに備え準備しています。
レースに関しては優勝を取るために準備の段階から頑張ってきましたので良い結果を出せるように頑張ります。

小川監督は熱く話してくださいました。

前回のことは気にせず、思い切り行け!と彼に伝えました。
昨日は雨の中2番グリッドを確保していますのでトップ目指して頑張ってもらいたいですね。

迎えた1本目の決勝レースRd.3。
10時30分からの出走ですが、金さんの予想通り9時50分のレース直前から雨が降り出しました。
雨雲レーダーをチームメンバーで確認。10:25には止みそうな一時的な雨。

直前までレインタイヤか、スリックタイヤ(ドライ)にするかタイヤの選択に迷います。
スリックタイヤでの走行を決めるチームもある中、レインタイヤを選択。

昨日の予選の結果により2番グリッドからのスタート。
雨はレーダー通り、スタート時にはほぼ止みましたが路面はウェットの状態。
タイヤの選択は功を奏し、快走。4周目には予選タイムより2秒アップ、1位の車より速いラップタイムを記録し攻めて行きます。

ところが、レース走行中55号車石井選手に対してスタート違反によるペナルティが課せられることに。総合タイム+5秒のペナルティ。3位の車とのタイム差を5秒以上離さなければ順位が逆転してしまうという前も後ろも気にしなければいけない展開に。
この時、3番手の車両との差が5秒以内。

東風谷コーチからは「後ろを5秒以上離して。もう少しプッシュして、今で丁度5秒」と指示が飛び、最終2、3周で石井選手は猛プッシュ!!
ファイナルラップまで追い込み、3位とは7秒の差をつけ2位でチェッカー。
ピットで見守るクルーからは安堵の声と拍手が起こりました。

決勝1レース目を振り返る石井選手

望んでいた展開にはならなかった。
実力、経験の差を痛感したし、後半にプッシュした時にはミスもしてしまった。
内容はそんなによくなかったかなと思います。
3位とのギャップをなんとかして作らなければいけなかったのでプッシュしました。
その結果、なんとか2位に踏ん張れたのは良かったです。

次の決勝2レース目Rd.4は16:05から。
5時間ほど時間が空くため、メカニックやドライバーは決勝Rd.3の結果を踏まえての調整を行います。
石井選手も東風谷コーチと共に前戦の反省を元に作戦会議をします。

そして、その間、他のチームメンバーはというと…、当社でお車をご購入いただいたお客様・ゲストの皆様をピットにお招きする観戦ツアーの運営に奔走しておりました。
このツアーでは、富士名物の1.5kmホームストレートを一望できるクリスタルルームを貸切り、迫力あるBMWのレースを堪能いただきました。

12時30分からは、モトーレン東都社外取締役でありBMW Team Studie 監督の鈴木BOB康昭さんと、カーライフ・エッセイスト吉田由美さんによるDGMSトークイベントを開催。

また14時00分からは、チームの小川監督によるマシン解説付きの贅沢なピットツアーも行われ、DGMSそしてモータースポーツを肌で感じていただけるイベントとなりました。

観戦ツアーにはお子様も参加されており、将来のモータースポーツドライバーに!?
「車ってかっこいいなー!」と感じてもらい、車や自動車業界に興味を持ってもらえたらとても嬉しいですね。

時は過ぎ、16時05分からの決勝Rd.4。
雨が強く降り続き、セーフティーカーが導入されるレースが相次ぐ中、決勝のスタート前に雨は小降りに。
皆が心配していた大雨にはならず少し走りやすいコンディションになりました。

東風谷コーチは予選と決勝1レース目の結果を踏まえ…

前回大会でのクラッシュ、雨。相当気にしながら走っている。
もっと行きたいんだけど…、セーブして走っている感じ。
ビビりリミッターを外して。いつもの元気な走りを見せてほしいな。

ゲートがオープンし全車が一度グリッドにつきグリッドウォーク!
今回の観戦ツアーにご参加のお客様もチームクルーと一緒にコース内のスタートグリッドへ。 石井選手はスタートポジションの確認などをしながらお客様との記念撮影。応援団の皆様から温かいお声をかけていただき、石井選手もスタート前の緊張が少しほぐれパワーを頂いたように感じました。

そして決勝レース。
このレースではリバースグリッドが採用されます。決勝Rd.3の結果により1位から4位までのスタート位置が逆転。石井選手は2位のため3番グリッドからのスタートとなります。

まずは慎重にスタート。
2番グリッド出走の車両をマークしながら1周目で1台パス。ラップタイムもトップタイムをマークして2位に着きます。さらに1番グリッド出走の車にもしっかりと食い込み、2周目にトップに躍り出ます。

しかし4周目、同じく2台をパスしてきた決勝1で優勝の25号車が後ろにぴったりとついてきます。石井選手も1秒の差もつけずに懸命に逃げますがパスされ、2番手に。その後の周回でも気持ちを落とすことなく、セクター毎のタイムでは全体ベストを出しながら追いかけます。ファイナルラップでも諦めずプッシュし続け、1位の選手より約1秒速いペースで走り切りチェッカー。
2位表彰台獲得となりました。

決勝Rd.4を終えた石井選手コメント

終わってみればまたコテンパンにやられてしまいました。
うん…、悔しいですね。でも1日終わってこうして悔しいと思えることは、やれることはやったし、これが今回の1つの目標ではあったので自分の自信を取り戻すための第一歩は踏めてるんじゃないかな?と思います。

東風谷コーチコメント

前回のクラッシュがあって、今回何もあっちゃいけないというのが大前提だったんですけど、しかもこんな嫌な雨の中ね。まあなんとか走り切ったのでそこは良かったかなと思います。
でも、もう2位はいらないので! それ以外の上を取りに行きます。

今戦、レース前のインタビューで、毎回「無事に走り切ること」を目標にしていた石井選手。
思うようにアクセルを踏み込めない、飛び込めないというもどかしさがある中、自分とライバルと戦い、この試練をしっかりと乗り越えました。 そして今日のレースでも悔しさを滲ませ、走りと共に、精神面での強さや成長を感じるレースでした。

そしてチームメンバーも初めての経験、新しい役割に挑戦し、お客様の笑顔と共に無事にこのレースを終えられたことでたくさんの自信と成長を得ることができました。

優勝!!
チームメンバーの目標は一つになり、次戦に向けて動き出したDGMS。

今シーズンもDGMS、そして石井選手にご期待ください!!!