MINI CHALLENGE JAPAN 2021

MINI CHALLENGE CPS Class

Round3(第5戦、第6戦)

スポーツランドSUGO[宮城県]
  • 開催:8/21(土)-8/22(日)
  • ドライバー:石井 一輝
  • REPORT:岩岡 万梨恵

こんにちは! レーシングドライバーの岩岡万梨恵です。
今回は7月21日(土)~22日(日)スポーツランドSUGO(宮城県)にて開催されたMINI CHALLENGE JAPAN 2021 Round3 の現地の様子をお伝えします。

今年度2戦目となる今回は、ドライバーであるファイブスター東都社員の石井一輝選手とチームが一丸となり、前回の富士レースの反省も生かしながら挑みます。

21日(土)の天気は曇り。
路面もドライで、練習してきたことを思いっきりぶつけられるコンディションとなりました。
20分間の予選が開始され、他チームの車両とアタックする周が被らないようにするため、予選開始から2分後にスタート。ミニチャレンジレース車両はタイヤとブレーキをしっかり温めなければきちんと性能が発揮されないため、インラップと1周を使いながら丁寧に温め、アタックラップに備えます。

そして2周目。練習してきたことを意識しながら全開アタック。
自己ベストである1,44,546を出し、クラス2番手タイムを獲得します。
なんとクーパSクラス2戦目、スポーツランドSUGOも今年初めて走ったにも関わらず、前日から1秒以上タイムアップし、2番手タイムを出すまでに成長しました。コーチの東風谷さん、チーム全体の気持ちも高まります。その後ピットインし、ライバルのタイムも見ながらもう一度アタックできるような準備も行える程、余裕を持って予選時間を過ごすことが出来ました。

予選後、石井選手は「作戦通りに予選は進み、タイムも更新できたので良かったです。しかしタイヤを使い切ることが出来なかったので、そこが1位との差が生まれ悔しいです。レースに向けて、フロントロー(先頭)スタートなので、しっかり前についていきながらチャンスを掴めるようにします。」とコメント。
コーチの東風谷さんも「上出来!タイムの出し方も余裕があって素晴らしい!」と大絶賛でした。
1戦を経てチーム全体の成長を感じ、決勝レースが楽しみです。

今回の決勝は午前と午後の2レース行われます。
過去最高位2番手からのスタートに気合が入ります。
天気は前日から当日朝まで雨が降り、路面はウェット。レース中に乾いていくような難しいコンディションが予想されました。

グリッドに着くため、ピットから車両を出走させていきます。
しかし時間配分に誤りがあり、なんとピット出口が封鎖!!?
グリッドに着くことが出来ずクラス2位スタートがピットスタートとなってしまいました。

他車がスタートし1コーナーを超えたあとにスタートする形となり、チームの雰囲気が一気にピリつくと思いきや・・・、ドライバーとチームの信頼関係からチームは落ち着きを放っています。
ドライバーの石井選手も、より気合が入った模様。悔しい気持ちを「やってやる。」という思いに変えた気合が車両から伝わってきます。

最後尾であったにも関わらず4周目を周回する頃には4番手までポジションアップ。
3位の車両に5秒差まで追い詰めます。「どんな状況でも最後まで諦めない。」という気持ちがピット側にも伝わり、チーム全員に力が入ります。

雨も止みコースもライン上が乾き始め、タイヤ一本ラインを外すと滑り出すような最も気を張る難しいコンディションの中、石井選手は唯一の54秒台を出しクラスファステストを叩き出します。その後もタイムを53秒、51秒と上げていき、同クラスの中で常に1秒速いラップを刻み、9周目には3番手争い。

ピットでは、メカニック、サポーター全員が手に汗を握りながらモニターに釘付けです。
10周目に3番手に上がると、ピットでは「よし!!」と大盛りあがり。
石井選手の勢いも止まりません。ファステストを伸ばしながら2位の選手にもグングン近づき、なんとファイナルラップでは1コーナーでオーバーテイクし2番手に浮上。ピットスタートを思わせない力強いレース展開に、ピットでは「すげー!!!!」と拍手が沸き起こりました。
ハプニングをもはねのけ、最後まで諦めないチーム力の高さを感じます。

決勝第6戦はクラス60%上位の車両がリバースグリッドとなり、石井選手は3番手スタート。
レース前、石井選手は「スタートを決め前に出て、先行逃げ切り作戦で行きたい。今回も落ち着いて自制心を大切に頑張ります。」とコメント。
作戦通りスタートを決めた石井選手は、1コーナーまでに2台抜きにかかり、4コーナーまでに完全にパスしクラストップに躍り出ます。

後続のバトルが始まり、石井選手は2位との差をぐんぐん広げていきます。
後半のレース展開が楽になったと思いきや・・・、そう上手く行かないのがレース。
残り半分を過ぎる頃、2位の選手と石井選手との差がぐっと近づきます。
タイヤのエア圧を高めにスタートしたものの、思いのほか気温が上昇。エア圧が上がりすぎグリップが低下してしまいました。迫る背後の車両に、チーム内でも緊張が走ります。

10周目に差し掛かる頃には、1,5秒あった差も0,4秒まで縮まりますが石井選手は諦めません。
スポーツランドSUGOは道幅が狭く中高速コーナーが多いため、追い抜くことが難しいコース。
石井選手が得意とする最終コーナーでは後続車との差を生むことができ、SUGO一番のパッシングポイント1コーナーのバトルから回避することができました。
コースの特徴と自身の強みを上手く利用したレース展開で、最終コーナーを颯爽と駆け抜け優勝争いを制し、見事チーム初となる優勝を飾りました。

今回のレースを通し、チーム全体が相手のことを考えて行動していることをとても感じました。メカニックはドライバーが気持ちよく走れるように、ドライバーはチームで勝てるように、サポートはチームがスムーズに動けるように、全員が協力をして相手を思いやってこそチームがまとまります。
「挑戦すればできる。努力すれば成果に繋がる。」をスローガンに掲げ、メンバーが一丸となって挑んだ今回のレースは、一人一人の努力の積み重ねと、皆の思いが一つになったことで生まれた「初優勝」です。この経験がさらなる団結を促し、チームがより高いステージへと向かって行くことを期待しています。

上り調子のダイワグループモータースポーツ(DGMS)。
今後、チーム力がどのように強くなるのか、またそれがどのように結果に繋がっていくのかとても楽しみです!