MINI CHALLENGE JAPAN 2020

MINI CHALLENGE JCW Class

Round1(第1戦、第2戦)

富士スピードウェイ[静岡県]

監督:砂子塾長

チームディレクターとして、ドライバーのスキルアップと速さを引き出す以上に大事なのがクラッシュさせない事です。ドライバー選出から各ドライバーのレースするサーキット選択はかなり重要です。スキル以上にメンタルや性格がレースを支配します。
一番の若手ですが、メンタルが心配な為谷くんを富士のレースにしたのは、一番のマイルが稼げ、万が一のコースオフに許容する富士だからでした。
今回のレースウィークはクルマのセットの方向性を変えて、ドライバーが安心して攻められるようにしました。
結果、上出来の予選タイム。そしてレース1は為谷くんの上ずった無線の声でしたが、レース2はあわやポディウム!という戦いを見せてくれました。本当に彼のこれまでの努力が報われた瞬間でした。
更に上を!我々の終わらない合言葉です。
最後にスタッフのフォロー、そしてBBR(株式会社ハーネス)の皆様へも感謝致します。ありがとうございました!

ドライバー:為谷 勝太

悔しい。情けない。もっとうまくなりたい。。。そう感じた初レースだった。
前回の茂木を走った石井選手は、レース3日前に初めて実車で茂木を走るという極めて少ない時間の中で素晴らしい結果を残してくれた。茂木よりもずっと実車での練習の時間が多くとれた富士なのだから、もっと結果を残したかった。

予選タイムは1'59.473。
思わず車内でガッツポーズをしてしまった。練習でずっと切れなかった2分を、2週連続で切ることができたから。しかも全てのコーナーで納得できる走りができたわけではないのに。
もっと行ける……!そう思ったがそれ以上のタイムは出せなかった。悔しかった。

走る前のドドドド緊張はとっくにどこかへ消え去り、充実感と高揚感に包まれながらPITに戻った。
タイムを確認したらトップの1.6秒落ちで5位。4位とも0.7秒離されている……。塾長からは「もしかしたらバトルができちゃうかもしれない。ここまで前の人たちに近づけるとは正直思ってなかった」と最高の誉め言葉をいただいてとても嬉しかった。でも悔しかった。もっと速く走りたかった。

決勝1はなかったことにした。決勝1なんてなかった(泣)
スタートでエンスト。焦って2週目1コーナーでスピン。その後5位の人が徐々に近づいてきたときに早く追いつきたくて(自分の中では)プッシュしすぎて100Rでスピン&コースアウト。
接触・リタイア・クラッシュ以外の失敗を1レースの間に全部経験できたことはよかったと思いたい。
ちなみにレース翌日に出社したらあだ名が「エンスト」になっていた(泣)

そして決勝2。決勝2は熱くなった。決勝1はなかったことにしたが、決勝1でやった失敗は忘れず繰り返さないように気を付けていたが別の失敗をしてしまった。気を抜いてペースが遅くなってしまった。
6番グリッドだったが、ポールポジションの人がマシントラブルでピットスタートになり、みんなに「ラッキー、ついてるついてる」と言われた。シグナルがブラックアウトし、エンストさせずにゆっくりとスタートしたら、3番グリッドの人がスタート失敗して止まっている……!さらにチャンス!と思ったが2速に入らない!慌ててクラッチを踏んでギアは入ったが、余計遅いスタートに……。しかしなんとか1コーナーで1台パスできた。

1コーナーを立ち上がった私の前には2台しか見えなかった。前に2台ということは、自分は3位!?!?
周目は前の2台がバトルをしていてペースが落ち、見る見るうちに差がつまり13コーナーでは私もトップ争いに絡んでます感を醸し出していた。

1コーナーで前に出るために最終コーナーを立ち上がり重視で曲がり早めにアクセルオン!
……アンダー……出口でアクセルオフ……あぁ……失敗……
しかし3台のスリップ最後尾なのでそこまで前に離されない。というより、ついていけている。
前の2台が最内とセンターを走っていたので、1コーナーの飛び込みでアウトにふり3ワイド。前には出られなかったけどすごく楽しかった。ミスしてなければもしかして前に出ちゃっていたんじゃないか……悔しい。
そしてその後は置きにいった走りになり、スタートを失敗していた速い人にぶち抜かれてグングン離された。
ペースを落とさずに前についていけていたらもしかしたら抜かれずに3位でチェッカーを受けられたんじゃないかと思うと悔しい。ひょっとしたら結果を残せちゃいそうな環境が整っていただけに、自分が情けない。

言うまでもなく、練習を始めてたった半年の私が贅沢にも悔しがることができるのは砂子塾長や東風谷さんにここまで指導をしていただいたからだ。
TVC(バーチャルシュミレーター)でスポーツ走行のマイルを稼ぎ、砂子塾でタイヤを感じて滑る感覚を磨き、滑り出しに敏感になっていく。そして再びTVCで走り、TVCでもタイヤを感じながら走る。覚えの悪い私にも何度も何度も助言をくださったからこそ、考えながら走り、時間を濃密に使えるようになったのだと思う。塾長や東風谷さんのもとで学べていなければ、「レース出られてよかった~楽しかった~」で終わっていただろう。

ドドドドドドド緊張して瞳孔が開いて目がイっちゃう私に、スタート前に冗談を言って緊張をほぐしてくださったり、「練習通りに走れば大丈夫だから」と支えたりもしてくださった。プロドライバーが私なんかのために気を使って話しかけてくださっていたのは、今思い返せばなんだか笑ってしまうくらい意味が分からない(笑)ドライビングも人間としても素晴らしい方々のもとで練習してレースに出られたことを改めて当たり前じゃないのだなと実感しました。何から何まで本当にありがとうございます。

そしてこのような素晴らしい機会を与えてくださった高野社長をはじめとした会社の皆さん、忙しい週末に休ませてくれた同じ拠点の皆さん、当日現地で応援・サポートをしてくださった皆さん。誰か一人でもいなければ決勝1が6位、決勝2が4位という結果すら残せなかった、というかそもそもレースに出られていなかったと思います。本当にありがとうございます。まだ全然満足できる結果も残せてなく、満足できる走りもできていないのでもっと上を狙えるように努力していきます。