BMW & MINI Racing 2026

M2 Racing Series

Round3(第5戦-第6戦)

富士スピードウェイ[静岡県]
  • 開催:6/20(土)-6/21(日)
  • ドライバー:#1 石井 一輝
  • REPORT:岩岡 万梨恵
  • Photo by 大島 洋行

こんにちは!
DGMS(ダイワグループモータースポーツ)チームレポート担当のレーシングドライバーの岩岡万梨恵です。

BMW&MINI Racing 2026(通称:BMR)Rd.3となる今大会は、富士スピードウェイにて開催。
今回は、新型BMW M2 Racing #1 石井一輝選手が参戦します。

富士スピードウェイは1.5㎞という日本で最も長いストレートを持つサーキット。
特に第3セクターと呼ばれるコース後半は、上りながら曲がるコーナーが多く、サーキットの肝となります。

今回のレースに向けて 小川監督

そろそろ勝利を掴みたいという気持ちもありますが、今まで積み上げてきたチームを信じ、とにかくミスなく表彰台に上がることに集中して臨みます。また、新ドライバー候補の3名にしっかりと背中を見せられるようなレース内容、運営をしていきます。

まずは予選。
梅雨の時期に行われたため、予選時も雨天。
新型BMW M2 Racingで走るウェットコンディションは初となり、データが少ない中で挑んだ結果、見事今期初のポールポジションを獲得することが出来ました!

新型M2 Racingは雨の中でも性能を大発揮!
雨のせいでコース上が非常に滑りやすくなりますが、滑ったところでM2 Racingのトラクションコントロールが発揮し、制御が効きすぎず、ドライバーのコントロール幅も残しておいてくれるため、ドライバーの思い通りに車が動いてくれます。滑りすぎた際はしっかりと制御が効きスピンから守ってくれ、M2 Racingのコントロール性能の高さを発揮できた予選となりました。

そして翌日、いよいよ決勝レースが始まります。

天候は朝方の雨が残り、路面は乾き始めている状況、タイヤの選択に悩みます。
このまま晴れていけば溝付きのレインタイヤは溝がある分路面との接地面が少なくなってしまいグリップ感が落ちてしまいます。逆に路面が乾かず、雨も降りだした中でスリックタイヤを履くと、まるでコンクリートの上をビーチサンダルで全力疾走するくらい滑りやすく、コースに留まることで精いっぱい。
このタイヤチョイスがレースのカギとなります。
ライバルチームの状況も見ながら、まだ路面は乾いていかないと判断し、ウェットタイヤを選択。

レッドシグナルが消え、レーススタートです。
路面が濡れている状況でのポールポジション、1位でのスタートは、前に誰もいないため、ブレーキングポイントなどを自分で見つけ出さなくてはなりません。ブレーキを止め過ぎたら抜かれる、ブレーキを突っ込み過ぎたら止まらずにコースから飛び出てしまうかもしれないということを考えながらとても緊張する瞬間です。
その緊張の瞬間をもろともせず、石井選手は果敢に攻めていきます。何とか先頭ポジションを守り切り、1位にて1コーナーを抜けていきます。

ここから攻防戦が始まります。20分+1周のレースとなりますが、スタートからゴールまでどちらが勝つかわからない程、終始バトル合戦が始まります。1コーナーからAコーナー、100Rとかけて2位の選手との車間距離は0.1秒もないほど。
1コーナーで抜かれても次の周では抜き返して帰ってくるという、抜きつ抜かれつのバトルが繰り広げられます。

レースもあと残り2周に迫った時、2番手でストレートを通過した石井選手でしたが、タイミングを合わせたかのように1コーナーに1位の選手と並んで入り、追い抜くために仕掛けていきます。
1コーナーの先から出てきたのは…なんと石井選手!
1位の選手を抜き、さらに後ろとの差をつけてコーナーを抜けていきます。
そしてラスト1周。チーム全員の手に力が入ります。チェッカーフラッグが用意され、トップで帰ってきたのは、石井選手!
新型BMW M2 Racingで、DGMSはようやく優勝を掴むことが出来ました!

ピットウォールに向かって走って石井選手のチェッカーを待つチームの姿を見て、涙が滲んできます。

レースを終えて 石井選手

濡れている路面で1コーナーに飛び込んでいくのは中々痺れました。タイヤも予選以上にグリップ感が低く、フラフラしていましたが、踏ん張れたのが今回の勝因だったと思います。レース2も見ている方に楽しいレースが出来るように、優勝目指して頑張ります。

レースを終えて 押井メカニック

今年は富士2回目となりますが、石井選手を活躍させたいという気持ちで挑みました。事前に天候が不安定という事もあり、しっかり準備をしてレースに臨みました。レース中、車が壊れないか?最後までしっかり走り切れるのか?手に汗を握りながら見ていました。バトル中は接触しないか不安で、1位になった瞬間は、努力が報われたように感じ、嬉しかったです!今年は開幕戦から2台体制で参戦し、1台1名のメカニックで担当していて、始めは慣れずにあたふたした部分もありましたが、2回目では慣れ始め、今回は2名のメカニックで1台を担当できたので、その経験のおかげで落ち着いて作業に集中することもでき、自分の成長も感じました。

やっと掴めた今期の1勝にほっとしたDGMS。

そんな時間もつかの間、実は裏では、様々なイベントが行われていました!

☆ 学生観戦ツアー

整備士を目指す専門学生、大学生を対象にダイワグループを知っていただくきっかけ作りとして、レース観戦に加え、ピットツアーやメカニック体験、先輩メカニックとの座談会等を行っております。
実際にディーラー経験もあり、レース経験もあるメカニックはとても希少です。さらに、現役メカニックから実際に現場の状況を聞けることは中々ないので、学生の皆さんは目を輝かせながら大きく頷き、話を聞いてくれていました。

☆ 新入社員モータースポーツ研修

DGMSでは、ダイワグループが取り組むモータースポーツ活動への理解を深めるために新入社員研修を実施しています。
レース当日までに、ダイワグループのHPやSNS、YouTubeを通して各自事前学習をしたうえで参加。ピットツアーやメカニック体験、BMW&MINI Racingの大会パートナーでもあるグループ会社「ダイワオートモビルズ株式会社」の事業内容を学習するプログラムなどがあります。
研修後にはレポートを作成し提出、といった研修内容です。
勤務しているディーラー店舗とは違い、普段感じることのできないレースカーの轟音やサーキットの雰囲気、多くの方の協力によりレースが成り立っていることを感じていただき、新入社員の皆さんは学びが多かったのではないでしょうか。

研修企画者 DGMSの運営スタッフ担当 Tomomiさん

私自身、DGMSの運営を担当するまで、サーキットのイメージは、うるさい、危険、事故で亡くなるかもしれない、というイメージでした。しかし、実際にモータースポーツに触れてみると、心が熱くなるような感動、成長、応援してくれている社員や一般のお客様と共に喜びを感じられることを知りました。
この私自身の体験を機に、もっと多くの方にモータースポーツ・DGMSを知っていただきたいと思いました。一企業として出来ることはないかと考えた結果、整備士専門学生向けの観戦ツアー、グループに入社してくれた新入社員へモータースポーツ研修を企画し、今年も無事に開催することが出来ました。
私がやるべきことは、『サーキットに来るきっかけ作り』だと思っています。

今回は、学生観戦ツアーにおいて過去最多となる38名の方にご参加いただき、回を追うごとに参加人数が増え、広がりを感じていました。
私自身もモータースポーツの面白さを広げるために活動をしていますが、サーキットに実際に足を運んでくれる人を増やすのは難しかったりします。
DGMSは、サーキットに人を呼んで、実体験を元にモータースポーツを感じる、知らなかったことが分かる、その輪が広がっていく・・・、とても素晴らしい活動だと思います。

さて、レースに戻ります。
レース2はすっかり雨も上がり、路面も乾きドライタイヤで走ることに!
やっと青空の元気持ちよく走ることが出来ます。

今回はレース1の結果のまま、ポールポジションスタートです!(参加台数の兼ね合いでリバースグリッド適用ならず)
雨でも晴れでも速さを求め、スタートしていきます。
ローリングスタートを決め、トップのまま1コーナーに入っていきます。
レース序盤、順調にポジションを守りながら走行を続けていきますが・・・、甘くはありません。
レース1でも激しいデッドヒートを繰り広げていましたが、レース2でもライバルとのバトルが始まります。 2周目、テールトゥノーズ(前を走る車両の後ろに、後続車の先端が触れそうな程に接近すること)で、何とか後ろを抑えながらトップを守っていく石井選手。

しかし、3周目の1コーナーで内側から抜かれてしまい、2番手に。
コーナーを曲がるのが厳しそうで、スピードを保つのに精いっぱいというように見受けられます。
ドライバーが焦らないよう東風谷コーチは無線で声をかけながら、走行機会を無駄にしないよう、「車の向きの変え方を考えろ」とアドバイスをしていきます。
予選から雨で、雨のセッティングは、まとまってきていたものの、一気に変わる路面コンディションに合わせる事が難しかったように感じられます。
そんな難しい環境の中ですが、今できる精一杯の事を石井選手はやり抜き、2位を守ってそのままチェッカーへ。少し悔しさの残るレースとなりました。

レースを終えた 石井選手

初めの2周はバトルできたのですが、頑張ってついていこうと思えば思うほど、タイヤを使っていくばかりで苦しかったです。スリックで走れる環境は、気持ちよく走り出せたのですが、アンダーステアが強くなり、コンディションによるセッティングの違いを改めて感じました。次戦SUGOでは、7月の開催で暑い事が予想されますが、熱いレースが出来るように頑張ります。

レースウィークを終えて 東風谷コーチ

今週末は、予選、レース1でポールトゥウィンを果たすことが出来ました。実は、ドライバーとして引き出しを増やすべく、国内で人気の耐久レースである“スーパー耐久”に石井選手を誘いました。今までBMRは、車は1台、ドライバーも1台という事で集中して走ることが出来ますが、耐久レースは車両1台に対し6名のドライバーがいるチームもあります。練習時間も決められており、練習走行は15分しか走れないなんてことはざらにあります。しかし、その中で車両の特徴を掴み、耐久レースも走り切りました。その経験のおかげか、今回は、バトル中に抜かれても非常に落ち着いており、危ない部分もなく、とても安全にバトルも繰り広げ、レースもしっかり組み立てたおかげで優勝でき、すごく成長を感じました。

もっと速く、1位を目指して、努力して積み重ねたものが結果として現れた今回のレース。
石井選手、金メカニック、押井メカニックをはじめ、全員が落ち着いて自分のやるべきことをした結果、実を結ぶことが出来ました。

そして、いつもボランティアでチームのお手伝いしてくれている社員の見田さん(株式会社ダイワグループ)にもインタビューをしてみました。
「会社が真剣に取り組んでいるプロジェクトなので、なにかしら応援が出来ればいいなと思い、お手伝いをしています。チーム全員が頑張っているから自分も頑張ろう!とモチベーションにも繋がっています。」
チャンスがあれば一員になりたいと思っているんだとか!

今回のレースで、新ドライバー候補の3名も刺激を受けたそうです。

吉澤さん(株式会社トリコローレ東都)

イベントも沢山あったおかげで、DGMSが会社に貢献している事を感じて、実際にシートに座ることを目標にもっと練習していきます。

諸橋さん(ダイワオートモビルズ株式会社)

2回目の帯同でしたが、今後もサポートしながら早くデビュー出来るように頑張ります。

堀さん(株式会社モトーレン湘南)

候補生になってから初のポールや優勝している姿を見て、涙が出そうになりました。感動を与えられるようなドライバーにならなきゃいけないと感じた週末でした。

次戦はスポーツランドSUGO。BMR初の試みとなる新フォーマット「GRAN HEAT」(決勝50分間、1台に1~2名のドライバーが乗車可能)に挑みます。
約50分という普段の倍以上の時間を走るレースの中でどんな物語が待っているのか、今からとても楽しみです!
引き続きDGMSの応援をよろしくお願いいたします!