BMW & MINI Racing 2022

M2 CS Racing Series / MINI CHALLENGE JAPAN

Round3(第5戦-第6戦)

モビリティリゾートもてぎ[栃木県]
  • 開催:7/2(土)-7/3(日)
  • ドライバー:石井 一輝(M2 CS Racingクラス)、岩岡 万梨恵(CPSクラス)
  • REPORT:岩岡 万梨恵

DGMS(ダイワグループモータースポーツ)のチームレポーターを務めますレーシングドライバーの岩岡万梨恵です。今回は、7/2~3モビリティリゾートもてぎ(栃木県)で行われましたROUND 3のレポーター兼ドライバーとして参戦した現地の模様をお届けします。

統計史上最も早い「梅雨明け」発表。連日の気温が35度、路面温度60度を超える真夏日のレースウィークとなりました。

今回は、BMW M2 CS RacingとMINI Cooper Sと初の2台体制で挑みます。
DGMSは、Round1(第2戦)において優勝を獲得しました。それに伴い前回のRound2では、ハンディキャップによりDGMSのマシンのみ出力の制限があり、苦しいレースウィークとなりました。しかし、今大会については参戦者全員が優勝経験者。同じ出力制限の下で戦うことができるので楽しみな1戦です。

ストップアンドゴーとして知られる“モビリティリゾートもてぎ”は非常に抜きどころの少ないサーキットとなるため予選順位が大変重要となります。
石井選手にとって2年前のJCWクラスデビュー戦以来のもてぎ戦となりますが、今大会レース前日にインタークーラーの冷却トラブルがあり、なかなか思うようには練習走行ができないまま予選当日を迎えることとなりました。

13時から20分間で行われた予選は路面温度60度を超える猛暑の中で行われます。
M2 CS Racingの石井選手は前回の悔しい思いを胸に挑む計測1周目、車両のフィーリングを確認しながら冷静にアタックを始めます。計測3周目にベストタイムをマークし、見事クラス3番手タイムを獲得しました。

石井選手は「予選1位と大きい差もつけられ、またタイヤの内圧セットを外してしまい、フィーリングも悪く、久しぶりに納得のいかない予選でした。」とコメント。しかし、いつも力強い攻めの走りの石井選手。表彰台も狙える位置にチームの期待も高まります。

一方、私(岩岡)がドライバーを担当するMINI CooperSチームは、ラジアルタイヤを使用しているため、アタックを1周で決めなければなりません。タイミングを計り、コースイン。前半うまくまとめたものの、V字コーナーでシフトミスしてしまいます。そこからなんとかタイムを出し、クラストップタイムを出すことができました。「初めてのMINI Cooper Sでしたが、チームの雰囲気も良く、安心してアタックできる車でした。チームとマシンのおかげでクラストップタイム、またコースレコードを出すことができました。この結果をしっかり決勝レースに繋げていきたいと思います。」

この2台の結果に小川監督は「BMW M2 CS Racingは全車365psで腕がもろに出る予選であったが、決勝の駆け引きは強い。強気で攻めれば表彰台いけると思う。MINIの方は見事ポールポジションで良かった。決勝もこのままトップを目指してもらいたい。」とコメント。チームも2台に期待が高まります。

翌日の第5戦(決勝)は、午前中スタート。
路気温共に高く、エアコンなし、窓も開けられない車内温度は60度を超える状況で車にとってもドライバーにとっても過酷な状況が強いられます。
スタートではBMW M2 CS RacingとMINI Cooper Sそれぞれスタートに失敗してしまい順位を落としてしまいます。BMW石井選手は最終ラップで順位を取り戻し3位。MINI私(岩岡)は惜しくも2位という結果でしたが、DGMSダブル表彰台を獲得しました。

今までに経験のない高温度の状況によりタイヤが垂れてしまったり、エンジン出力を抑えられてしまうセーブモードが入ったりと過酷な状況でした。しかし、チーム全体の気持ちを前向きに切り替え、午後の第6戦(決勝)に備えます。

午後から行われた第6戦は、第5戦の結果、BMW M2 CS Racing石井選手は3番手、MINI Cooper S 私(岩岡)は2番手からのスタートです。

午前中から一転、レース中、大雨が接近するという情報が入ります。BMW M2 CS Racingはスリックタイヤ(レース用溝なしタイヤ)かレインタイヤ(雨用溝ありタイヤ)を使用するかの選択を強いられます。天候が持ちこたえることを祈り、決勝レースではスリックタイヤを選択しました。しかし、グリッドにつくとみるみるうちに雲が厚くなる空模様に不安が募ります。

いざ、レーススタートと同時に小雨が降り出す状況。前回の反省を生かしスタートに改善を試みる2台ですが、共に順位を落としてしまいます。しかし、BMW M2 CS Racingの石井選手はマシンンの調子を取り戻し、早い段階で順位を取り戻します。また勢いも良く2位の車両にみるみるうちに近づき2位争いを繰り広げます。前回の富士ではもどかしさを感じていましたが、今回のレースではいきいきと強気に攻める姿勢はまさに水を得た魚のようで輝いていました。レース中自己ベストタイムも更新する素晴らしい走りを繰り広げます。

MINI Cooper Sの私(岩岡)もスタートで順位を落とし、2位争いにてこずりますが、なんとか順位を上げていきます。

順調な2台でしたが天候がここで牙をむきます。レースもラスト半周というところ本降りの雨に。スリックタイヤで挑んでいる石井選手にとって大雨は大変危険でコースにとどまることで精いっぱいだったと思います。その中で、バトルしながらしっかり対処し、3位表彰台を獲得したことはお見事でした。

MINI Cooper Sの私(岩岡)は、レース中盤からブレーキにトラブルを抱えていました。思うようにはレース運びを行えないながら前との差を0,5秒まで縮め2位表彰台。またもDGMSダブル表彰台を獲得しました。

レースを終えた石井選手は「スタートを失敗しましたが、セットアップ変えたのがはまって、午前中よりもペースよく走れたおかげで早いうちに順位を取り戻すことができました。2位まで差し切れなかったのがもどかしいです。最終ラップには雨も降り、実はエアコンも壊れていて、窓も曇り視界が大変悪い状況でした。次戦、初めての岡山サーキットをとても楽しみにしています。最終戦に向けてもきちんと作戦を立ててレースを組み立てていきたいです。」とコメント。次戦に向けて期待が高まります。

私(岩岡)は、スタートがうまくいかず、ブレーキトラブルもありました。改めてレースの組み立て方などを考えさせられました。今までレポーターとしてかかわらせていただく中で、DGMSは向上心も高く【相手のために】を第一に考えレースに挑む姿に思いやりを感じるチームという印象を強く感じていました。今回、ドライバーとして参戦させていただいてそこを改めて感じました。優勝をお返しすることができなかったのが何より悔しいですが、DGMSの皆様と一緒に戦えたことがとても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

そして、チームのスタッフにも感謝しています。レースは当日もそうですが、チーム員が快適に過ごせるようなサーキットでの環境づくりからホテルの手配、くまなく気を配りチームを支えてくれています。チームの行動が分かるようにホワイトボードにスケジュールを書いてくれます。こういった一言がチームの雰囲気を良くしてくれていることは間違いないです。

そして今回、実はダイワグループの新入社員も大勢応援に来ていました。
現地で初めて見るレース、先輩方の普段見せない、新たな顔を間近で見て、何か感じるものがあったのか、サーキットに来た時と帰る時の表情がまるで違うように感じました。DGMSの取り組みを実際に目の当たりにして、レースの魅力を感じ、一緒にレースを楽しむメンバーや車がもっと好きになる人が増えていけばいいなと思いました。

ダイワグループはDGMSを通してレースの魅力を伝える他、日本で唯一のBMW M2 CS Racing取り扱いができるディーラーのモトーレン東都があります。レースに興味を持っていただいた方に実際にM2を体験できる試乗会も行っております。
担当のモトーレン東都 松さんは、「私は、車両の輸送や修理の手配などサポートする傍ら、車両販売促進について担当しています。DGMSの活動は、実際にお客様とコミュニケーションをとることができる貴重な場の一つです。まずはレースを見てもらい車両に興味を持ってもらう、そこから実際にご自身で体験していただいたうえで、購入を検討することができます。私はドライブできない代わりに、これからもDGMSシリーズチャンピオンを目指して全力でサポートしたいと思います。そしてBMW M2 CS Racingがより多く認知されるよう、多くのレースに参戦できるよう頑張って広めていきますのでよろしくお願いします!」と話していました。

それぞれ自分のやるべきことの芯を持ちながら、チームとして大きな形にしていく、そこがDGMSの大きな強みだと感じます。

次戦は初の岡山。レース開催は9月と時間が少し空きますが、次はどんな姿を見せてくれるのかとても楽しみです。MINI Cooper Sのドライバーは私からモータージャーナリストの竹岡圭さんにバトンを繋ぎます。私も今後もDGMSの活動の素晴らしさ、レースまでの過程を伝え、少しでも多くの方に興味を持ってもらえるように努力していきたいと思います。